Baby Baby ２ (ページ7)

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56～side 剛典～ページ7

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一気にビールを飲んだせいで喉に痛みを感じて咳払いを一つ

「俺の初恋はさー、叶わなかったんだよねー。ずっと可愛いなぁって思ってて、好きだって気付いた時には彼氏が居て……おせぇよって」

「………うん」

俺の目をジッと見つめながら静かに相槌を打つAから、俺は目を逸らした

「その人高校卒業して上京したんだけど、見送りの日に告ろうと思ったんだけど、やめた」

「どうして？」

「………好きでいたかったから。フラれんの分かってたし、なら自然に忘れるまで好きでいようって思った。まぁ辛い時の方が多かったけどね」

「剛ちゃん……私そんな話初めて聞いた」

そりゃねぇ……Aだけには言えなかったよねぇ。

「だね…………その人と、ちょっと前に久しぶりに会ったんだ。相変わらず可愛くてさぁ、告らなかったことちょっと後悔したよねぇ」

「今からじゃダメなの？」

「だってさー、好きな人いるみたいだしー、俺ももう好きじゃないしもういいかな」

「そっかぁ……」

「ねぇ、ここまで話して気付かない？」

「………なにが？」

「ほんと、Aって鈍感だよね」

俺は深いため息をついて綺麗に打ち上がる花火に目を向けた。