88〜side 広臣〜 ページ39
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待ち合わせの時間に少し遅れて入った小さなBAR
すでに酒を飲んでいる葉月がカウンターに座り、携帯を耳に当てていた
声をかけず後ろから近づくと会話が耳に入ってきた
「うん、だからいちいち電話して来なくていいって!間違いないんでしょ?好きにやってよ、マジで嫌いなの、凛々花って女」
は?
それを聞いた瞬間、俺は葉月から携帯を取り上げた
「きゃ!」
小さな声で驚いた葉月は俺を見るなりどんどん目を見開いていく
「てめぇ……なにしてんだよ」
「……………臣」
「何してんのか聞いてんだよ!言えねぇのかよ!」
女相手に俺はブチ切れた
「お、お客様!困ります!」
おどおどする店員に千円札を投げ付け、葉月の腕を力任せに引き店を出た
向かったのは、JSB
扉を開けて葉月を店の中に引っ張り入れる
「なんだよ、さっきの電話」
むしゃくしゃして肩を押すと床に尻もちをついた葉月
「痛い!」
その声を聞きつけて直人さんが奥から駆けてきた
「おい、臣!何してんだよ!大丈夫?葉月ちゃん」
後ろから体を支えてやる直人さんを無視して俺は葉月の前にしゃがんで睨み付けた
「てめぇ、なに隠してんだよ!」
「………ご、ごめん、なさい」
「あ?」
「…………マ、マンション。あの子の……マンション」
「てめぇ……逃げんじゃねぇぞ。直人さん、こいつ裏に!」
「え、臣?どうしたの?」
直人さんの声を背に、俺は駆け出した
A、無事で居て。
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作者名:taka | 作成日時:2016年4月19日 23時