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横に寝転がった臣くんの腕に頭をトンと乗せる
私が大好きな臣くんの腕枕。
「俺、ホスト辞めるから」
「えっ!?」
「客の引き継ぎやんなきゃいけないし今すぐには無理だけど。出来るだけ早く、辞めるよ」
「臣くん………私のせい?」
「違う。Aのせいじゃなくて、Aのため!不安にさせたくないし、もう傷付けたくないんだよ。俺がそうしたいの」
臣くんの決断はすごく嬉しかった
それだけ私のことを想ってくれてるんだから。
「臣くんは、やりたい仕事とかあるの?」
「あー、なんだろう。学生の頃はスタンドでバイトしてたけど、それ以外はないからなぁ。俺、何ができるかわかんねぇー」
正直、ホスト以外の臣くんは想像もつかない
工場勤務?土方さん?おしゃれさんだからアパレル?
んー………あっ!
「パイロットは?飛行機の!」
パイロット姿の臣くんなんて絶対かっこいい!!
「知ってる?パイロットって資格が必要でね?ちゃんと学校行かなきゃいけないの!今更めんどくさいっしょ」
「あそっか。臣くんもう30だしねー」
「お前もな!」
「うわぁ……傷付いた今のー。私めっちゃ傷付いたー」
「じゃあ慰めてやろっか?」
口角をクイッと上げて、足を私の体に絡ませる臣くん
「やっぱ臣くんは営業マンじゃない?口うまいし」
「褒めてんの?それ。ねぇ………慰めてほしくないの?」
「………そんなにシたいの?」
「うん、シたいの。もう1回、シよ?」
眠気も忘れて臣くんとの行為に夢中になった
2人で歩く明るい未来に胸を膨らませながら。
「Aが居ないと、生きてけねぇよ俺」
耳元でそう囁いた臣くんにギュッとしがみついた
私のこと、離さないでね
そう伝わるように。
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作者名:taka | 作成日時:2016年4月19日 23時