Baby Baby ２ (ページ1)

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「もしもしA、元気？今週末の花火大会来るんでしょ？お父さんが、Aは来るのかーってうるさくて！あんたに会いたいみたいよ！」

朝から電話越しにマシンガントークを繰り広げるのは、お母さん

もう１年くらい実家に帰っていなくて、お父さんも顔を見せろとちょくちょく連絡をくれる

「うん、分かってる！ちゃんと行くから！もう切るよ？」

「あーちょっと！剛ちゃんも誘って一緒に帰って来なさいよ！」

「剛ちゃん！？休みかどうか知らないけど……てか、なんで私が剛ちゃんのこと誘えるって知ってるの？」

お母さんに剛ちゃんがホストだという事も、会ってる事も話してないのに……

「だってー、剛ちゃん先月帰って来たのよ？その時、Aと会ってるって！しかもホストなんでしょ？剛ちゃんイケメンだから人気でしょー？」

なんでも知ってるね、お母さん。

世間話が大好きなお母さんは、昔から私の周りの情報を私よりも早く仕入れたりしていた情報屋。

"あの男、彼女居るからやめなさい" とか、"あの子、バイト先の上司と不倫してるらしいわよ"

どこから仕入れて来るのか情報元が分からない内容ばっかりで、私の情報だけは流すなと口煩く言っていた。

「ほんと時間ないから！剛ちゃんに連絡しとく！じゃあね？」

「あらそうなの？仕事ー…………」

ごめん、と心の中で謝ってしゃべり続けるお母さんを無視して電話を切った。

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サロンまでの道のり、歌舞伎町を歩きながら無意識に臣くんの姿を毎日探している

会いたいけど、会いたくない……

朝から女の子と腕を組んで楽しそうに歩く臣くんを何度も見かけた

そのたびに"私に気付いて" そう心の中で叫んだ。

でも届くことなく、臣くんは私の前から居なくなる

臣くん、あの日の事は忘れてないよ私。

忘れちゃったのは、臣くんじゃないの？

こんなに苦しい思いをするなら会いたくないけど、

やっぱり会いたい。