私はラメントーソ (ページ19)

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いつの間にか眠ってしまっていたみたいで、目が覚めるとあたりはもう明るかった

矢花と克樹は帰ったようで机の上にはご馳走様でした、と一言矢花の字で手紙が添えてあった

二日酔いで、なんだかフラフラするから水でも飲もうなんて思った矢先、脳天に刺さるような鋭い音が部屋に鳴り響いた

これは…携帯の着信音？

今手元にある私の携帯はこんな着信音ではないし、出所は私の手元ではなくまた別の場所からだ

…まさか、、克樹か矢花が忘れていった？

音を頼りに探していたけれど、その音はいずれ鳴り止んで探す術もなく困っていた瞬間に視界に見覚えのない四角い機器が入った

…克樹の携帯は、、確か黒だった気がするから…
あれは矢花のか！

本人に知らせようにも、唯一の連絡手段である携帯が私の方にあるのではどうしようもない

まあ、携帯なんだからそのうち気づいて取り返しにくるだろうと思うから、特にこちらからはなにもアクションを起こす必要はないと思う

いずれ来るであろう矢花を待っていないといけないから、今日は外出できない。いい機会だと思って、仕事用に買ってみた本なんて読んだらしてみたけどなんだか性に合わなくてすぐにやめてしまった

結局いつもの通り携帯やテレビを見ながらゴロゴロと過ごしていたら、不意に家のインターホンが音を立てた

…見ずともわかる。矢花だ

私は急いでエントランスを通し、矢花がチャイムを再び鳴らすのを待つ

しばらくして、予想通り家のチャイムがなったので出ると、案の定そこにはなんだか申し訳なさそうな顔の矢花

『これでしょ？』

『あ、これもなんですけど…あの、指輪落ちてなかったですか？』

『指輪？あんた、指輪なんてしてたっけ？』

『これくらいのゴツい指輪なんですけど…見ませんでした？』

『それじゃわかんないよ。画像とかない？』

『…ない、と思います…』

矢花が冷や汗をかいていてなんだか少し可哀想に思えた

『…いいよ、うちの中探して』

昨夜の克樹の言葉が頭の中に少しだけあったけどこればかりはやむを得ないと思って許してほしい

『すいません…お手数お掛けして…』

私と矢花はリビングのカーペットを剥がしたりしながら這いつくばって指輪を探した

…こんな事になるんだったらもう少し掃除しておけばよかった、、、

『…見つかりそう？』

『いや…全然見つかる気配すらないです、、』

『諦めないでもう少し探してみよ？』

『すいません、、』