私はラメントーソ (ページ18)

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『本当だって、私達全然そんな関係じゃない！…矢花がうちに来た時だって慶がいたし！』

…誰もいない時に呼びつけたこともあったけどそれは今は黙っておこうと思う

『…本当に？』

『本当ですよ！俺達、本当にただの先輩後輩ですって』

『二人して否定するところがなんか怪しいんだよな、、…まあいいや。考えてみればAは好きな男の前では猫かぶるタイプだし』

『そう！そうなのよ！』

克樹はなんだかまだ腑に落ちないような顔をしていたけど、なんとか理解してくれたようだ

…一安心、、

『それにしても、矢花は彼女作んないの？』

克樹自身が話を変え、話題は矢花の恋愛事情になっていった

『…芸大、ハーレムだから彼女できると思ったんですけどね〜』

『うちの大学でも彼女作ってた人はいっぱいいたじゃない。他大でも』

『俺が悪いって言いたいんすか？』

『まあ、そーともいう！』

矢花黎って奴は見た目は決して悪くない
寧ろ、すごく綺麗な目をしていて羨ましいくらいだ

『矢花！そのブリーチ頭なんとかしなさい！就活してるんじゃないの？』

『濃い色入れたんすけど抜け切っちゃって、、』

『女が寄り付かないのはそこよ！そこ！プリンになってるよ！』

しかし、この人にあまり女が寄り付かないのはこの絶妙な清潔感のなさだと思う
小綺麗にしている時もあるけれど、缶詰で楽器の練習をしていた時なんて、無精髭にプリン頭にいつ洗ったのか全くわからないシワシワのチェックのシャツを怠そうに着ていた

『少しは、克樹を見習ったらどう？この清潔感なら女の一人や二人寄ってきてもおかしくはないわね…』

『矢花は確かに、その頭をなんとかしないとな〜』

私達二人はいい感じに出来上がっているので、矢花をおちょくることでどんどんと酒を進めていた

『二人して今日はなんか辛辣ですね〜』

『矢花に彼女ができたらぜったいおもしろい！絶対影からデートとか覗いちゃう！！…彼女に怒られるか、、』

『それただの迷惑だから！！』

完全に酔っぱらってる私に対して、ベロベロの克樹がふにゃふにゃな力でツッコミを入れる

…混沌とした状況で矢花だけが一人淡々と食事をしていた

『相変わらず粉チーズはジップロックなんすね…覚醒剤みたいで気味悪いっすよ』

『Aはそーゆーとこの価値観がなあ、、』

『うるさいわね、食べれればいいのよ！こんなの！』

『そういうもんじゃないっすよ』

『本当だよな〜？矢花！』