私はラメントーソ (ページ21)

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．ページ21

『先輩が髙さんのこと傷つけてるんですよ？自覚あります？』

その言葉が私に深く刺さった

『…矢花がもうちょっと気を付けてくれればうまくやれたもん、、矢花のせいじゃん』

こんなこと言いたくないのに、私の怒りは頂点に達していて言葉が止められない

矢花は私にそう言われても尚傷ついたような表情を見せず、私に諭すように…でも怒るように淡々と話しかけてくる

『先輩は自分勝手すぎるんですよ、髙さんが目の前にいるのに嶺亜君の話を長々とするとか神経どうなってるんですか？』

『うるさい！矢花には言われたくない！』

『俺だったらそんな傷つけるようなことはしないと思いますけど！』

『既に嶺亜の事傷つけてんの！！』

…言葉が口から出てしまった後、取り返しのつかないことをしてしまったなと気がついた

だけど、馬鹿な私は止まることができなかった

『どういうことですか？』

『いや…えっと、、』

『先輩！』

『なんでもない！』

『なんでもないことないですよね？誤魔化さないでください』

『…誤魔化してないよ！気にしないで！なんでもないから』

『すいません…無理です。嶺亜君に謝りに行ってきます。もし俺が酷いことしてたら土下座してでも謝ってきます』

私の言葉が矢花の変なスイッチを押してしまった様だ
本当に後悔しかなくて、心臓が変な音を立てていた

『それはやめて！』

必死に止めようとしたけれど、矢花は嶺亜にもう連絡をとってしまった様だった
…どうしよう、、

『…ごめん、矢花。酷いこと言った…全部私が悪いのに、、』

私が謝ると矢花は決まりの悪そうな顔をして、少し暗くなった自身の髪をいじった

『俺こそ…冷静になれませんでした…申し訳ないです、、』

二人でとりあえず一通り謝りあってはみたもののそこから特に会話が再開することもなく間に気まずい空気が流れるだけだった

『…でもやっぱり俺、嶺亜君を傷つける様なことをしちゃったなら謝らないと…いや、土下座してでも…謝りたいんです。嶺亜君は大切な人ですから』

嶺亜君は大切な人
この一言はどんなに嶺亜を喜ばせて、同時に落胆させてしまうだろう

矢花に悪意が一切ないから余計に苦しい

『矢花…違うの、、』

『…何が違うんすか？』

『本当鈍感だね、あんたって』

『…すいません。鈍くて、、でもわからないです』

このまま何も知らない矢花が嶺亜に会いに行くのはリスクがありすぎる…