僕はアンプロンプチュ (ページ5)

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『…二人ともお疲れ様、Aちゃんの為にわざわざありがとうね』

中村さんは本当に物腰が柔らかい
少し心配したけど先輩との関係も良好なようだ

『あれ、、？慶君はどこにいるんですか？』

『慶は嶺亜と会ってるみたいよ』

『嶺亜君といるのか』

『お義父さん、嶺亜の事知ってるの？』

『知ってるも何も、慶のホームステイ先をつてを辿って見つけてくれたんだよ。本当にいい青年だ』

『なにそれ、初耳』

二人が話している姿はまるで本当の親子のようでこちらまで安心する
思春期である慶君が少し上手く行ってないのも一過性のものだと思う

『じゃあちょうど慶もいないしさ、明日に向けて壮行会の準備でもしない？』

『明日、嶺亜君も来るんですか？』

『嶺亜は仕事が忙しいんだってさ』

『大変そうですね…』

外から人が勢いよく走ってくるような音が聞こえた
…すごい足音…近所迷惑だよ、、

そう思っていると足音は先輩の家の前で止んですかさずチャイムの音が聞こえる

『、、琳寧かも！』

先輩がドアを開けたらもちろんそこにいるのは琳寧君
最強の助っ人が来たことに俺もこんぴーも安堵の表情を隠しきれなかった

『はじめまして！琳寧です！』

『わざわざどうもありがとうございます…しっかし、Aちゃんにこんなに男の子のお友達が多いなんて知らなかったなあ…』

『あっ、…琳寧実はAさんとついこの間まで交際させてもらってたんです…』

…ん？

まずい、これは非常にまずいぞ、、

俺と先輩が付き合っている設定になってるのにこの間まで琳寧君と交際していたとなる
そしてつまり俺達は浮気をしていた事になる

ていうか、琳寧君がわざわざついこの間までとかつけたから俺らが浮気してた感が増してるんだよ！！！

一度別れて付き合い直した事にするのもあまりにも不自然すぎる！

『Aちゃんモテモテなんだね〜彼氏絶えないでしょ？』

『…お、…おかげさまで？』

横を見ると初対面である琳寧君とこんぴーが挨拶している
人当たりのいい琳寧君だからこんぴーとすぐに親しくなれるだろう

俺は先輩とアイコンタクトをとって非常にまずい事態だと訴えかける
先輩もすぐにそれを察知したのか琳寧君とこんぴーの会話を無理矢理切って自分の部屋に連れて行った

…大事なのは二つ

琳寧君に俺らが付き合っていたと言う虚言をバレないようにする事

そして、先輩の両親に嘘がバレない事