僕はアンプロンプチュ (ページ18)

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俺ら五人…つまり嶺亜君を除いたバンドメンバーは先輩からの雑なお誘いによって大学近くのカフェに集まっていた

髙さんは先輩に会ってからなんだか気まずそうなのに、当の先輩は1ミリも気にしていなさそうな感じがする。…どんな神経してんだよ、、

『ごめんね、忙しいのに集まってもらって』

『いえいえ！Aさん！お久しぶりです！』

真っ先に前に出てきたのは大光。こいつは本当にいくつになってもこんな感じなんだな、、、

『五人の楽器の腕前は十分に知ってるつもりなんだけど…改めてお願いが、、』

改めてお願い？…なんだ、先輩がこんなに改まって何か言うことなんて滅多にないからこっちとしてもなんだか身構えてしまう

『何？なんでもいいな！』

…琳寧君優しいな、、

『まず、嶺亜のかいた歌見たことないよね、、…あ、琳寧と矢花はあるか』

『れーあさんの作る歌詞なんていうか…すごいもんねぇ…』

『琳寧君別にそこぼかさなくてもいいですよ…』

『率直に言うと、嶺亜の作る歌詞は最高に恥ずかしい。…ほら、これ見て』

先輩がスマホの中の一枚の写真を見せてくれる
あぁ、なんか俺も昔見た記憶があるぞ、、

琳寧君はあー、れーあさんやっちゃってるねーなんて他人事のように言うし、大光はめっちゃ笑ってる
こんぴーからは軽い失笑を受け、髙さんも顔の筋肉がピクピクしてる

『ほら、見てわかったでしょ？今から皆んなはこれを演奏するの』

さっきまでの和気藹々とした雰囲気がダダ下がって暗いものに変わってしまった

『でもね、本当にいい人だから。こんな事言うのもなんだけど人助けだと思って嶺亜について行ってあげてほしい。…色々言われる事もあるかもしれないけど、悪い奴じゃないのよ。それは私達が保証する』

先輩がねっ？って琳寧君と俺に目配せしてくる
…おいおい、巻き込まないでくれよ、、

『いいよ、Aがそこまで言うなら』

『その歌詞見たら逆に会えるのが楽しみだぜ』

『こんぴー勇者だね〜、琳寧はそうは思えないよ！』

なんか…

…なんか先輩って意外と人望あるんだな

『本当に？ありがとう！じゃあ今日は私が奢るから皆んなでどっか行こうよ！…あ、大光君大丈夫？受験生なんでしょ？』

『大丈夫っすよ！それにAさんのお誘いなら着いて行きますって〜』

本当に大光って調子がいい奴だな

でも…みんなで楽しそうに話している姿を見て少し嬉しくなったのも嘘じゃない