僕はアンプロンプチュ (ページ17)

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『…どう、だった？』

向かいで紅茶の中に入れたレモンをくるくると回していた髙さんが恐る恐る聞いてくる

イケメンに紅茶…なんだか様になるな、、、

『オッケーですって』

『本当？じゃあ俺も近々その嶺亜さんって人に会わないとね〜』

『髙さん、改めてよろしくお願いしますね！』

髙さんは任せろって頼もしい視線と共に握手をしてくれる
あとはこれを先輩に知らせるだけだ

『じゃあ先輩に連絡しますね〜』

『大丈夫？A、俺と会うの気まずくないの？』

『先輩ってそういうこと考えないと思いますけどね〜呑気だし』

『でもほらあいつって元彼とは友達にならないんでしょ？』

『あぁ、、、なんかそんな事よく言ってますよね、、』

髙さんが見たことのないような顔で少し複雑な表情をした
あれ？これってどうしたんですか？って聞いていいやつ？

あぁ、もう。そんなこと考えたってしょうがない

『髙さん、大丈夫ですか？眉間に皺寄ってますよ！』

『あぁ、ほんと？ごめんごめん』

髙さんがふざけて自分の眉間に手をやってぐいっと広げる
気付いてないかもしれないけど広げた後直ぐに戻ったぞ

『どうかしたんですか？』

『あぁ、大丈夫大丈夫。こんなしょうもないこと言ってもなぁ…』

『なんでもいいから言ってみて下さいよ』

髙さんが頭をかいてポツリポツリと言葉を紡ぐ

『なーんかさ、俺より矢花の方がずっとAと一緒にいて、俺よりずーっとあいつのことわかってんだよな、、』

『…髙さんってもしかして……ていうか、言っときますけど俺先輩の事好きでもなんでもないですからね？』

『分かってる分かってる』

持っていた携帯がピロリンと音を立てたのでそっと見ると、あらかじめ送っておいた大光へのメールに返信が来ていた

受験生である大光は意外にも乗り気だったので、どうせ目当ては芸大の可愛い女性にある事は目に見えている

携帯を再び戻そうとした時、また連絡が来た
…また大光かよ、、と思いながら見ると送り主は先輩。その旨は琳寧君とこんぴーから了承が得られたというものだった

『なんて名前で出場するの？』

『ダサいかもしれないですけど六人だから六って数字を入れるのはどうですか？』

『俺は別になんでもいいよ』

『じゃあ他の人達に相談しておきますね！』

見る限りバンド名を考えて積極的に提案してくれるメンツはいなさそうだ
…俺が一肌脱ぐか…