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『ねえねえ』
シャツが引っ張られている感覚を覚えたのでその先へ振り向くともちろんそこには嬉しそうな顔の先輩
言いたいことはなんとなくわかるし、もはや顔を見なくてもわかる
『あの人の事好きになっちゃった、、ですよね?』
俺は先ほど自己紹介をした高橋さんを指差しながら先輩の耳元で囁く
『えっ、なんでわかるの?』
『逆にわからない人います?』
『私そんなにわかりやすい?』
『目がハートなんですよ』
えっうそ!なんて言って化粧品についている鏡で自分の目を確認しているようだけど、そういう事ではない
『ほら、矢花も女の子達と話しなよ!』
『いやいいですよ俺は』
二人でやいのやいのと言っているうちに幹事の人が二人って付き合ってるんー?って関西弁混じりで聞いてきたから先輩が少しムキになって絶対に有り得ませんなんて否定するのを聞いた
『…矢花君やったっけ?』
『あ、はい。初めまして…』
『そんな緊張せんでええって〜』
何故か幹事の人が女の子ではなく俺に話しかけてきた
向こう側を見ると既に先輩が高橋さんをロックオンして話しかけているのが見えた
あの積極性は見習うべきものがあるよな、、、
『ええっと…大橋さん、、でしたっけ?』
『そうそう!大橋和也!』
『よろしくお願いします…』
大橋さんはカスカスな声でよろしくって言った後も俺の近くを退こうとはしなかった
…この人女嫌いかなんかなのか、、?
『な!な!矢花君ってバンドやってるって聞いたんやけど、ほんま?』
『…え、えっと、まあ…』
『ほんまに?ていうかあっちの大学やんな?』
大橋さんは俺らが通っている大学の方角を大まかに指差して俺に問いかけた
『…あっちと言えばあっちですけど、、』
『やんなやんな?…頼みたい事があるんやけど…』
『頼みたい事ですか?』
初対面の人間に頼み事をするなんてよっぽど非常事態なのだろう
現に目の前には鬼気迫る顔の大橋さんがいた
『自分らの大学でフェス的なものがあるのは知ってるよな?』
『あ、はい。まあ一応自分の大学ですし』
『俺それに出ようと思ってるねん』
『…大橋さんがですか?そうなんですか…』
大橋さん別に卒業生ってわけじゃないよね?
…なんでわざわざうちの大学のフェスなんて出るんだろ、、
『矢花君知っとる?あのフェス賞金100万なんやって!』
『ひゃ、ひゃくまん!?』
『あれ?知らなかったん?』
『…全然知りませんでしたよ、、』
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年4月15日 22時