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『先輩もなんか寂しくなりますよね〜』
『うるさいな。人をまるで孤独みたいに』
『考えすぎですって』
準備の時に役立たずであった事を皆にやんわりと咎められ、片付けを何故か先輩と二人でする事になってしまった
先輩と二人の空間は別に全然苦痛じゃないけれど、皆が思い思いに散らかしたゴミたちを片付けるのは相当苦痛で俺らはお互いに少しピリピリしながら作業を進めていた
『慶君、帰ってきたらどんな男の子になってるかな…きっとカッコ良くなって帰ってきますよ』
『知らないわよ。別にあいつがカッコ良くなってても私が得すること何もないし?』
『それもそうですけど…冷たいなあ』
そう冷たく言い放った先輩の後ろ姿がなんとなく寂しそうだったから思わずやっぱり寂しいんですよねって言ってしまった
…余計なこと言うなって怒られるかな、、、
『まあね、、、』
『あれ本当に寂しかったんですか?』
『弟が別の国に行って悲しまない奴がどこにいるのよ』
『それもそうですけど…』
なんだか可哀想になってきた
なにか先輩が元気になるような事ないかな、、
『あ、そうだ。この間中学の時の友達に会った時に合コンに誘われたんですよ。もしよかったら先輩も来ませんか?』
『え?いいの?…でもそういうのって普通、同性同士は皆友達でしょ?…私が行っても場違いじゃない?』
『いや、俺も男性で知らない人いますし、女性同士もみんながみんな知り合いってわけじゃないと思いますよ?』
『そうなの?』
『はい。だからもしよかったら一緒に行きませんか?』
『行きたい!』
素直って言うか単純っていうか、、
まあそこが先輩の良い所か…
『矢花が合コンとか興味あるなんて知らなかったよ、、』
『いやいや、俺は所詮人数合わせですって』
『いいじゃん、人数合わせでもなんでも。そーゆー所には積極的に行かないと』
『まあそうですよね、、』
先輩にしては随分まともな事を言うんだな
とりあえず俺も彼女の一人ぐらい欲しいしチャンスだと思って積極的に参加してみるか
『あ、そうだ矢花合コン行くなら髭剃りな?あとそのブリーチ毛もなんとかしなさい』
『…カラー行くのめんどくさくて、、』
『カラー入ってた方がいいんじゃない?わかんないけど』
『…ごもっともです、、』
『欲を言えば、その中途半端な髪の長さもどうにかすれば?…否定はしないけどね。モテたいならって言ってんのよ』
『参考にします、、』
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年4月15日 22時