僕はアンプロンプチュ (ページ41)

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『こんぴー、何？すごい息上がってる、、』

いつも飄々としていて、やる気がないこんぴーがこんなに顔を真っ赤にして必死に走ら所を俺は未だかつて見たことがない

『おい、お前ら急がないと百万消えるぞ』

『百万…？どういうこと？』

『お前ら馬鹿なの？』

百万円…
フェスの賞金！？

『って事は俺たち…』

『ぶっちぎりだったらしいぜ、まあすごかったもんな〜』

こんぴーの感情が篭っていない言葉を聞いて急いで俺は先輩の手を取った

『先輩！やりましたね！！！』

『なんか、色々あって複雑だけど矢花と優勝できた事はすごい嬉しい！！本当にありがとう！！』

『俺らやっぱ意外と良いコンビなんすよね〜』

二人で手を取ってキャッキャキャッキャと喜ぶ姿は側から見たらすごくカオスだったと思う
…てか、俺。女の子みたいだな、、

『お前ら喜ぶのは良いけど早く行かないと優勝権剥奪されるぜ？』

『そうだ…先輩急ぎますよ』

『矢花、走るよ！』

先輩は足の速さにはあまり期待できないから、俺が必死にと走る
でも別に、俺も足が速いわけではない

こんぴーも後ろからついてきてるみたいだけど、俺らに報告に来た事で疲労を溜めてしまったのか後ろの方でバテているのが見えた

俺たちが人目なんてはばからずにステージのほうに向かうと少しのザワつきが起こる
なんだか、アイドルにでもなった気分だ

『どこ行ってたんですか！探してたんですよ！！』

そう問いかけてくるのは司会のおじさん。俺らは平謝りしつつもその手にあるトロフィーを見てなんだかしみじみした

『おめでとう』

学長から手渡された賞金とトロフィーをそれぞれ受け取る
トロフィーは案外しっかりしていてその重みによろめきそうになったほどだ

『一言ずつどうぞ！』

『矢花からいいよ』

そう言われて、マイクを受け取る
こんなの準備してなかったから頭真っ白だよ！

『皆さん、投票して頂きありがとうございました！もしよかったら原曲も聴いてみてください！』

観客の方から、原曲の宣伝かよ〜と茶化すような声も聞こえてくる
俺はそっと先輩にマイクを手渡しした

『聴いて頂きありがとうございました！賞金大切にします！』

『ちなみに、何に使うかは決めたんですか？』

『はい！

矢花君も私もそれぞれ五十万円で好きなものを思いっきり買おうと思います！』

…それぞれ五十万円？

話変わってない？