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『…矢花、嶺亜と会ってる?』
『嶺亜君ですか?…卒業してから会ってないですけど、、』
『そうなんだ、、』
先輩っていう人は本当にわかりやすい
表情がコロコロと変わって考えている事が手に取るようにわかる
『何かありました?』
『…何かあるってわけじゃないんだけどさ。ほら、私が繋いだ縁だし?…これからも仲良くしていってほしいなぁと思って、、』
『俺はもちろん嶺亜君と仲良くさせてもらいたいですけど、、先輩は大丈夫なんですか?嶺亜君と話してないですよね?』
『まあなんとなく挨拶ぐらいはするけど前みたいには話せなくなったよ、、まあ、友達がまた矢花一人に戻っただけだし別にどうって事ないけどね』
『一人一人恋愛対象になっては消えてくシステムなんなんですか』
『恋愛体質だからね〜』
先輩がゴソゴソと黒いトートバッグからスマホを取り出しているのを見た
…うわ、鞄の中汚いな、、
『掃除したらどうですか?ほら、これとか』
俺はトートバッグの中に入っていた小さなビニール袋をつかむと先輩の前でヒラヒラとして見せた
『…ま、まあ何かに使うかもしれないし…』
『なんだか先が思いやられますね…引っ越しなんて、、』
『うるさいなあ、給料払うからいいでしょ?』
『場合によってはめちゃくちゃブラックかもしれないじゃないですか!』
『そこまで汚くないわよ!』
どうだか、、、琳寧君とこんぴーと俺の運命がなんとなく思いやられてげんなりとしてしまう
『あの、その…聞いていいのかわかんないんですけど、嶺亜君呼ばないんですか?』
やっぱり嶺亜君の事は地雷かなと思ってなんとなく話題を避け続けていたけど先輩直々に話題を出してきたとなると流石にもう解禁?ということでいいのではないかと思う
『え!なに?嶺亜の事呼んで欲しいの?好きなの?』
いつものテンションに輪をかけてさらに高いテンションで詰め寄ってくる先輩
あれ、、この展開は予想外だぞ、、?
『いや好きか嫌いかで言われたら好きですけど、、ってなんですか?』
『そっか好きか好きか、、嶺亜に言っとくね!』
『、、、はい?』
一人で意気揚々と話し続ける先輩と頭にはてなマークがたくさん浮かぶ俺
対照的な俺たちの空気は周りから見たらきっと異質だっただろう
『じゃあ引っ越しの日、よろしくね!!』
『わかりました。ある程度やっておいてくださいよ?』
『そんなのわかってるって!!』
『わかってます?』
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年4月15日 22時