僕はアンプロンプチュ (ページ14)

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『…先輩、キーボードやってくださいよ』

『いや！矢花だけならともかく嶺亜のあのさっむーい歌詞の伴奏なんてしたくないわよ！』

『酷いなぁ、でも他にキーボードができる知り合いなんて…』

『克樹』

『えぇ？髙さん？』

予想外の名前だった
まさか先輩が元彼である髙さんの名前を自分から出してくるとは思わなかったから俺は驚いてしまった

『何驚いてんの？』

『別に、、まあ先輩が髙さんの名前出すと思わなかったですけど…』

『もう吹っ切れてるからいいでしょ？』

『わかりませんけどね、会ったら案外復縁しちゃったりして、、』

『ないわね。私復縁とかしない主義だから』

先輩はともかくとして髙さんは最後まで先輩のことが好きだったと思ったんだけどなぁ、、
…まあ、俺の思い違いか？

『矢花なにもたもたしてんの。キーボードとベースだけいたって話にならないでしょ？ギターは？』

『ギターはこんぴーに頼もうと思ってるんですけど、、』

『後は？』

『琳寧君にサックスを…なんかサックス入れたら深みが出るかなと思って、、』

『なにそれ。…まあいいけど、それで、ドラムは？』

『それが問題なんですよね。ドラムで頼めるような人が思いつかなくって…』

俺が考え込んでいるうちに先輩があーほらほら！なんて言いながら俺の肩をポンポンと叩いていた

『大光君！』

『えっ、大光…？…あ！！』

短い期間ではあったけど、俺とバンドを組んでいた時代大光はいつもドラム担当であった

『大光君っていまいくつ？』

『俺の二つ下なんで…高3ですね』

『あ〜、受験か。ダメ元だけど頼んでみる？』

『そうっすね、俺、頼んでおきますよ？』

『あれ？珍しく頼りになる』

『珍しくってなんすか！』

『珍しいついででさ、嶺亜と克樹の所にも行ってくれない？』

『それ先輩、自分が行きたくないだけですよね？』

『…そうです』

まあ、そうだと思ったけど完全に俺パシリだよなぁ、、まあ後輩だししょうがないか、、

『ていうか、こんぴーも琳寧君も元彼だけど気まずくないんですか？琳寧君なんて最近まで付き合ってたんですから！』

『その二人と克樹と嶺亜は話が違うでしょ？嶺亜に至っては付き合ってないし！』

『そんな事わかってますよ…』

二人で色々と話していたら大橋さんはいつの間にか別の人の所に行ったようだ…

なんだかんだ俺は先輩のしもべだからいう通りにしちゃうし
俺って本当に先輩に従順ないい犬だな…