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『俺、未だにわからないんですよね。何で嶺亜君が先輩の事頑なに拒むのか』
『あ、、私って頑なに拒まれてた?…まあそうじゃないかと思ってたけど』
嶺亜はいつだって私の告白に対して、丁寧な言葉で返してくれていた
だけど丁寧だったのは言葉だけで本質を見ると、お前とは付き合えないよと繰り返し伝えてくれていただけなのではないか、、?と今更ながら頭をよぎる
『…嶺亜君が先輩の事嫌ってるって事じゃないですよ?寧ろ、嶺亜君は先輩に対して有り得ないほど過保護です』
『そうかな?』
『先輩が一曲目で止まった時、嶺亜君がどんな目で見てたから知ってますか?』
『いや、そんなの見てるわけないじゃん』
もはや、『嶺亜。一曲目の時からいたんだ、、私がステージ上に出てきた時いなかったじゃん』と思うところからだ
『ずーっと心配そうな目で、先輩の事見てたんですよ。俺らなんかよりずっと先輩の事見守ってて、…きっと自分が代わってあげたいって思ってたんじゃないですかね』
『でもそれは恋とか愛じゃないじゃん』
『恋ではないかもしれないですかど、確実に愛ではありますよ』
『意味わかんない』
矢花が少し呆れた顔で少し屈んで私に目線を合わせる
彼が何を言うかよりも、私は頭のプリンが気になってしまっていた
『先輩が少しでも動揺しないように、演奏が始まるまで席の影に必死に潜ってじっと待ってた嶺亜君のどこに愛が無いって言うんですか?』
『え、うそ…嶺亜最初からいたの?』
『嶺亜君、今きっと自分の事責めてると思います。逆に自分がいなかったことで動揺させちゃったんじゃないかって』
『その通りだけど、、嶺亜は悪くないじゃん』
好きな人が自分の行動によって罪悪感に苛まれている
…自分が傷付く事よりも寧ろ辛い事である
『先輩、痩せましたよね。ご飯とか食べれてるんですか?』
『いきなり何よ。まあ、前よりは食べる量減ったと思うけど、、』
『食事が喉を通らないってやつですか?』
『うるさいな、矢花に何がわかるのよ』
ついつい矢花に八つ当たりをしてしまう。、、私って本当に最低だな…誰の事も幸せにしてあげられない
『…ごめん。ついイライラしちゃって、、』
『しょうがないですよ。まあ俺は先輩の本気モードの恋愛が見れて満足ですけど』
『恥ずかしいからやめてよ。でも…こんなの私らしくないよね』
『別に…少なくとも俺といる時は先輩は先輩じゃないですか。…嶺亜君、呼んできますよ』
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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております! (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです!完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年2月23日 16時