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． ページ5

背はちっちゃい割に態度がでかい嶺亜君がとりあえず着いてきてよって私を後ろに従えてスタスタと歩く


『…あの、なんで私を』


あの道を通る新入生なんて私の他にも沢山いたし、中には明らかに楽器を背負っていてバンドに入ってくれそうな子も沢山いた

…なのに、なんで私に声をかけたの？


『それは簡単だよ』

『…簡単？』

『君が一番チョロそうだったからさ』


チョロそう？
そんなに威厳がなさそう？まさかちょっと言い寄れば体を許すとでも思われた？


『押しに弱いタイプ…じゃないの？』

『まさか！そんなことない…はずです』


嶺亜君が綺麗な顔を思いっきり崩して笑う
あぁ、イケメンなのに勿体ない…スカした表情してればいいのに、、


『あの、…サークルって何人ぐらいの、、』

『結構大規模だよ？まあほとんど音楽関係の専攻の人だけどね。俺みたいな美術系先攻は珍しい訳よ』

『確かに。やっぱりそうですよね…』

『高校の時は？バンドとか組んでないの？』

『組んでないですね…でも、知り合いがやってるのをよく見てました』


まさか、彼氏の部活を見てました♡なんて言えないしな
かと言ってマネージャー…っていうのもなんか違うし


『君、キーボード出来るよね？ピアノ専攻でしょ？うちの学校実技試験あるんだから弾けるはずだよね』

『…わかんないですけど』

『俺とバンド組もうよ』


ね？って私を見上げてくるその視線には嫌ですなんて言えなくてとりあえずコクコクと頷く


『あのちなみに…今何人くらい』

『一人』

『え、一人？…それは嶺亜君以外にもう一人ってことですか？』

『ううん、俺一人だから一人』

『え？』


な、なんて人望がないんだろう
人のことは言えないけど


『あの友達とか誘わなかったんですか？』

『誘ったけど、皆俺の世界観が理解できないみたいだ』

『世界観？…例えばどんな』


嶺亜君は持っていた黒革の鞄からガサゴソと音を立てて何枚かの紙を取り出した
…手、綺麗だなぁ

よくよくみると綺麗な指の先には黒いネイルが施されている
よく映えてていいなぁ


『はい、これ。俺の最高傑作』

『最高傑作？』


カバンの中で少し曲がってしまったであろう紙を受け取り一応歌詞に目を通す


…刹那、漆黒、殺戮、

なんか少しだけ恥ずかしくなって紙から目を離してしまう
世界観が理解できないねぇ、…わかるわかる



嶺亜君、厨二病なのかな

．→←第三章　中村嶺亜との出会い



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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
 マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時：2022年2月23日 16時

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