． ページ32
白いベッドの上でなにをするわけでもなく、一人悶々としている私
抱けない、、なんてカッコつけちゃって
単純にお前のこと好きじゃないよって言ってくれた方がまだマシだったなぁ、、
こんなの気まずすぎるよ…嶺亜も嶺亜で私の事避けてベランダに行くなんて酷い
窓越しに、嶺亜の白いシャツが見える
…空に少し紫がかかっていて、夜明けが訪れた事を知った
嶺亜の頭上から上がってるのは、、、煙？
窓をゴンゴンと叩けば、嶺亜がクルッとコチラに振り向く
そしてその手にはタバコがあった
あ、け、て
口パクでそういうと少し焦りながら窓を開けてくれた
『どしたの？…あ、そっか』
嶺亜は持っていたポケット灰皿に火種を落とすと申し訳程度に煙を払い、室内に入ってきた
『嶺亜、煙草吸ってたんだね』
『まあね。毎日吸ってるわけじゃないけど』
『うちの父親も昔吸ってたけどさ、…おいしいの？』
『私も吸うなんて馬鹿な事言わないでよ？…体に悪いんだし…』
嶺亜だって吸ってるじゃん
っていうのは置いといて、煙草を吸ってる姿。すごく様になってカッコよかった…
『言わないよ！でも20になったらお酒ぐらいは飲もうかな。煙草とか賭け事とかをする予定はないけどね！』
『競馬とかやったら許さないからね？殺 すよ？』
『…いつも通りすぎて怖いんだけど、、私告ったんだよね？んで、振られた』
『Aが俺に持ってるその気持ちは恋なんかじゃないよ、ましてや愛でもない。その気持ちには名前があるよ…まあいつかわかるよ』
いつかわかる、、？
…この気持ちに、別の名前がある？
『ごめん、私嶺亜の言ってる事なに一つわからない』
またいつもの厨二病が発症した？
『今はそれでいいよ』
嶺亜が私の頭を雑に撫でる
所詮私は、妹キャラなのだろう
嶺亜の恋愛対象になりうる存在にはこれまでもこれからもなれないという事だ
『ねえ嶺亜、もう家に帰らない？』
『…そうだね』
支払いをして外に出ればいい頃合いで、空はいい色だった
嶺亜と私は横並びでなにも喋らないまま歩く
普通気まずいであろうこのシチュエーションも嶺亜となら日常の一コマぐらいな感じで過ぎていく
サークルの勧誘に押し潰されていて、上級生の逆鱗に触れて、そしてその報復を受けそうになった私を助けてくれたのはいつも嶺亜だった
でも、今もほら
手を伸ばしても彼には届かない
私はいつだって彼なのに
悲しい事に彼はいつだって、私ではない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (
レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時：2022年2月23日 16時
