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『A…。俺の事、好きなの?』
嶺亜がどこか戸惑うように、悲しんでるように、一言一言を紡いでいく
私…振られるんだろうな
『…好きとかじゃない』
『えっと…』
『そんな言葉で片付けられないぐらいなの』
…どうしてそんなに悲しそうな顔をするの?
私を振るのに罪悪感があるから?
それとも、こいつ下心あったんだって思われてる?
下心なんかじゃない、嶺亜と一緒にいたのはそんなやましい気持ちからじゃない
わかってもらえないかもしれないけど、好きとか嫌いとかそんな感情を含めなくても嶺亜と一緒にいたいと思う
どんな事があってもそばにいて欲しいような…そんな存在
言葉にしたいけど、嶺亜はこんなこと聞いてどう思うかな、、
こいつ俺の彼女気取り?って気持ち悪がるかな
その場では取り繕うような事を言ってそっと距離を置かれるかな
『…A、、、』
嶺亜の指が私の涙袋にそっと触れる
…なんで触るの?勘違いしちゃうじゃん
『A、泣いてる』
『え、、?』
悲しいとか苦しいとか、心は全く感じていないのに無意識に涙は零れ落ちて頬をじんわりと温かくさせていた
『ごめん、私困らせたくてこういうこと言ってるんじゃないよ…同情で付き合ってほしいとも思ってない』
『じゃあなんで…』
襲う気は無いけどなんとなく気持ちをわかって欲しい…私は面倒臭い女心からか、なんとなく嶺亜が座るベッドに近付いた
どうしよう、、どうすればいいかわからない
こんな時どうすればいいの?
嶺亜なんて性格最悪だし、一歩間違えたらモラハラ夫みたいなこと言うし、、
なのにどうして私、この人のこと好きなの?
『あっ、そこ俺の靴あるから危ないって!』
『ん?なに?…えっ』
視界が歪んで、私の視界は白一色
ゆっくりと顔を上げると、また私の視界は白で覆われていた
…これは、嶺亜の服?
『はあ、だから言ったのに』
『…ごめん、不注意だった』
どういう状況?
さっきまでベッドに座っていた嶺亜はベッドに体を横たえているし、その横に…私?
微妙な空気が流れる
ごめんねって言ってすぐ立ち上がればいいのに、嶺亜の瞳に吸い込まれてしまって足が一向に動き出さない
『ごめんね…』
『だから…なにが』
『俺はお前を抱けないよ。ごめん』
どうしてそんなに苦しそうに言うの?
…私から好かれたのが嫌だった?
それとも、
何か辛い事があるの?
嶺亜は立ち上がってベランダへ行ってしまった
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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております! (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです!完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年2月23日 16時