検索窓
今日:3 hit、昨日:21 hit、合計:22,901 hit
小｜中｜大

． ページ27

『れ、嶺亜？』

『このバカ。人からもらった飲み物飲んじゃダメって今時中学生でも知ってるでしょ？』


嶺亜が私の額をコツッと叩くと自分用に届いたであろう飲み物の横に置いた


『なんだよ中村！』

『…そっちこそどういうつもり？まあ大方、睡眠薬でも入れてんだろうけどね』


睡眠薬？
私は自分が一欠片の疑いもなく烏龍茶を飲もうとしていたことを思い出して背筋がゾワリとした



『そ、そんなわけねえだろ！』

『あそう、じゃあ飲んでよ。…Aはまだ口つけて無いんでしょ？』

『うん』

『じゃあ飲めるね！』



そう言って嶺亜が強めにグラスを押し付けると、その先輩は血相を変えて首を横に振った


図星なんだ



『だけどお前もお前。飲み物に気を付けるなんて、基本中の基本ね？危機感どこに置いてきたわけ？』




そう私に説教しながら嶺亜は自分用の烏龍茶を飲む


『ごめん、…でも来てくれてよかった、、、会いたかったし』

『まあ俺も、妹みたいなAの事はやっぱり可愛い訳よ』


はあ、世間で言う妹ポジってやつか
すごい有利で可愛がられているように見えて、実は壁一枚隔てられているって噂の


『あれ、嶺亜なんか酔っ払ってる？』

『なんで？俺まだ酒飲んで無いよ』

『なんか喋り方がいつもと違う』



嶺亜はいつもの淡々とした話し方ではなく、ふわふわとした可愛らしい話し方になっていた



『そういえばなんか頭がふわふわする』

『…え、嶺亜。眠かったの？…まさか』


私はサークルの幹部に怒られている先程の先輩に声をかけて、睡眠薬の入ったグラスはどっちかと問い詰めた



『…どっちだっけ…ま、まあ二杯とも片付ければ…』



横には何も飲み食いしていないのに今にも寝てしまいそうな嶺亜
ていうか、矢花はどこにいるの？この大変な時に



『そんな呑気な事言ってる場合じゃ無いの！嶺亜が飲んじゃったから…』

『お、おい中村、大丈夫か？』


先輩が嶺亜の肩にそっと手を置こうとしたのに反射的に反応して、私は先輩の手をはたいた



『触らないで』



先輩は納得がいかなかったようで、なんだかぶつくさ言いながら離れていった
反論したかったけどもう嶺亜が限界っぽかったから私は嶺亜をおんぶして店から出ることにした



矢花の事一人にしちゃったけど、大丈夫だったかな
琳寧君にお願いしておこうかな


本当は私におんぶなんてしてほしく無いだろうけど背に腹はかえられないと思って我慢して欲しい

．→←．



→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )

点数: 9.6/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
111人がお気に入り
アイコン この作者の作品を全表示｜ お気に入り作者に追加｜アイコン 感想を見る
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム： 感想：  ログイン

マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
 マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時：2022年2月23日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。