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． ページ37

『ねえ！矢花！』



履き慣れないピンヒールで嫌な音を奏でながらとりあえず矢花がいるであろう場所へと急ぐ


『えっ？先輩、どうしたんすか…もう着替えないと』

『どうしよう…これ』

『どうしたんですかこれ、破けてるじゃないですか！』

『バッグの金具に引っ掛かっちゃった…どうしよう』



矢花が私の手からドレスを奪ってジロジロと見つめる


『ソーイングセットとか持ってないんすか？』

『縫うだけでいいの？…持ってないけど』

『応急処置ですよ、とりあえず弾く間だけなんとかしないと、、』

『私…近くの人に聞いてみる！』



二人でコンクールに来ている色々な人に聞いた所、子供が出演者であるお母さんが持ち合わせているとの事だったのでありがたく貸してもらう事になった


『よかったですね、、本当に』

『…私お裁縫とかからっきしダメだよ、、』

『はあ、そんな所だろうと思いましたよ。俺も高校卒業してから一回もやってませんけどそれでもいいなら貸してください』


男の人より裁縫がダメとか何て情けないんだろう


『ごめんね、矢花。ありがとう』


矢花が慣れない手つきで針に糸を通そうとするが、なかなか上手に入れることが出来ない

やってもらっている分際でこんな事を言うのもどうかと思うが、本当に矢花に任せて大丈夫なのかな…


『ねえ、矢花。こっちじゃなくてこっちだよ』

『あぁ、すいません』


集合時間まであと20分。みんなとっくに控室にいるはずなのに、、どうしようこのままじゃ棄権だよ…









『はあ、本当にさ、なにやってるわけ？』






後ろから聞こえる、大好きな声




『…嶺亜』






『感謝してよね、OB訪問の間を縫って来てあげたんだから』

『…来てくれたんだね』



嶺亜は私のドレスを少しみるとちょっと貸してと矢花から私のドレスを奪った


『嶺亜。できるの？』

『別に得意じゃないけど、二人よりはずっとマシだと思うよ？』

『そっかあ…』


得意じゃないと言ったものの矢花に比べてスムーズな手つきで針に糸を通していく

まち針で簡単に二、三カ所を仮止めすると白い糸で素早くまつり縫いをしてくれた


『…そんなに広範囲になんなくてよかったね。はい』

『…ありがとう』


少し照れくさくなって目を逸らしながらお礼を言う


『着たところ見て確認したいから、今着てきてくれない？』

『うん、分かった。ちょっと待っててね』



嶺亜、、私の姿を見てどう思うかな

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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております！ (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
 マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです！完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 松(プロフ) - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時：2022年2月23日 16時

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