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それから、矢花は私に進路関係の連絡をたくさんしてくるようになった
楽典の話とか面接の話とか実技の練習とか対策するべきことはたくさんあって時間がいくらあっても足りないと思う
矢花は飲み込みが早く、私の下手くそな教えでもすんなりと理解してくれる賢い頭の持ち主で助かった
一年間、謎の逢瀬を繰り返してついに明日は大学の一般入試だ
自分の時は何とも思わなかったけど人の受験となると話は違う
多分、家族の次ぐらいに私は矢花の努力を見てきたつもりだ
だからこそ、自分が受験をするよりもどうすることもできずもどかしい
できることなら、私が変わってあげたいくらいだ。なんか、私って矢花のお姉ちゃんみたい
本当は、直接応援しに行きたかったんだけど、、、
私と嶺亜はサークルの人たちからみんなのやりたがらない、、、大学の最寄り駅で案内のプラカードを持つ仕事を押し付けられてしまった
『本当にあいつらありえないわ、、、』
嶺亜が少し大きい音で舌打ちをした
近くにいた受験生がそれを見てあり得ないレベルで怯えてる
これから本番なんだからプレッシャーかけないであげてよ、、、
『ていうか嶺亜、プラカード重いんだけど、、、少し変わってよ!』
『ええ、いやだよ。ダイエットだと思えばいいんじゃない?』
『私、太りました?』
『ちょっと太ったねー。入学したときに比べて、、』
『嶺亜ってデリカシーとかないわけ?』
嶺亜が私のほっぺを少し強めにつねってくる
地味に痛いし、、
どんどんと受験生が押し寄せてくる。地味に人気あるのかな、、在校生としてはうれしい限りだけど、、
『なんか。俺あの子たちにキャーキャー言われてない?気のせい?』
『あの子たち、、、受験生とかかな?』
『そうじゃない?荷物がでかいし』
嶺亜が指さしたほうを見ると二三人の女の子達がこちらをじっと見て目を輝かせている
受験なんだから早く会場に行ったほうがいいのに、、
『まあ俺がイケメンなのが悪いよね』
そう言って嶺亜が気取ったような顔をする
本当にかっこいいのがなんだか腹が立つ
『俺、集客に貢献してる感じなんじゃない?』
『嶺亜、調子に乗りすぎ』
『別に、あんなガキたちに好かれてうれしいことなんてないけどね』
涼しい顔してそんなことを言うから、私もあんまり年変わんないんだけどなー、、なんて少しへこむ
あの子たちは恋を前面に出せてうらやましいな、、、私とは大違い
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マリエ(プロフ) - ハルカさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2022年4月9日 16時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 良すぎて一気読みしてしまいました……お忙しいかとは思いますが続き楽しみにしております! (2022年4月9日 2時) (レス) id: 17cc79c11f (このIDを非表示/違反報告)
マリエ(プロフ) - 松さん» そのように言ってくださって本当に嬉しいです!完結まで是非宜しくお願い致します。 (2022年3月29日 19時) (レス) @page35 id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
松(プロフ) - はじめまして!めちゃくちゃ面白くて更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2022年3月28日 23時) (レス) @page35 id: 309f0f86b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年2月23日 16時