私のラプソディ

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白…薄ピンク？
5枚の花弁を持つものが分離して地上にハラハラと落ちてくる
…なんか雪みたいで綺麗だな


今日は卒業式だ


『よっ、A』

『…こんぴー』

『卒業おめでと！』


少し着崩した制服に綺麗な金髪、大きく開かれた目に可愛らしい唇

…ちょっと説明しすぎたけど、この人は今野大輝
私の元彼であり、軽音部のメンバーでもある


『こんぴー、大学決まった？』

『おう、おかげさまで』

『へ〜、よかったね！私まで嬉しいよ！』


こんぴーの家はすごいお金持ちでその金銭感覚は度々私や矢花を驚かせ、困らせた

そして立派な後継であるこんぴーは大学で経営学をまなんで父親の会社を継ぐんだ！と意気込んでいる
…尊敬でしかない


『Aは芸術大学でしょ？』

『そうそう！』

『高校から同じとこ行く人いる？』

『いない！…いない方がいいでしょ？』


高校で友達のできない、人望のない自分となんて別れたいと思っている
だから知り合いがいないというのは私にとっては好都合…なんだよな


『A、大学では友達できるといいね』

『…うん、あんまり男に手出ししないようにしないとね』

『相変わらず面白いな〜お前は。…また会おうぜ！』

『うん！…こんぴーそれ何持ってんの？』


こんぴーがしなやかで細い指によく似合う綺麗な花を持っていた
ピンクの綺麗な包紙でお洒落なラッピングだな…

…女？


『あ、これ？』

『薔薇？』

『これ、矢花が持ってきたんだよ。俺に』

『え、あんた達ってデキてるの？』


卒業式に薔薇の花を渡すなんて…恋人じゃないとそんな事やらなくない？…私には理解できない世界なのかな、、


『デキてねえよ！部活同じだったからだろ、、あ、Aも貰えるんじゃねぇの？』

『部活でしょ？だって、私は軽音部じゃないし…』

『そういえば、克樹の第二ボタンってまだ持ってんの？』


…去年
卒業していく克樹に第二ボタンを貰った事があった

卒業式に第二ボタンを貰うなんて青春の1ページとして最高だな、なんて思って浮き足立ったものだ


『…うん、そうだよ。こんぴーもくれんの？』


冗談のつもりだった
こんぴーは私のことなんて1ミリも好きじゃないってわかってるから


『…えー、…あ、じゃあこれ。やるよ』

『……第三ボタン？』


こんぴーは自分のブレザーについていた一番下のボタンをむしり取って私の手に収めた


『…友達ねえ、こんぴー。粋な事するじゃん』

『え？なにが？』

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