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『…お母さん。矢花君にはなんて言うかなぁ』


うーんなんて考え込んでいる阿達姉弟
俺は自分の粗探しをされているようでなんとなく居心地が悪い


『…たとえば、線が細すぎて頼りなさそうとか』

『…ありそう』

『あとは、背がちょっと足りないとか?』

『それも言いそう』

『いやまだ将来が見込めないとかならわかりますけど…そんな理由で却下されます?』

『この際理由はなんでもいいのよ。とにかく否定がしたいだけ』


先輩がはあと深いため息をつきながら水を飲む
水でさえもすごいスピードで飲むんだな

漢らしい


『とにかく、少しでもシャキッと見えるようにいっぱい食べておきなよ』


そう言うと先輩が俺の器に肉を大量に入れた
…そんな食えないっすよ


『食べ放題なんだから元取れないと勿体無いでしょ?』

『先輩が一人で俺らの分も元取ってくれてるもんな?』

『そうですよね〜、姉ちゃん食欲ハンパないから』

『腹が減っては戦はできぬでしょ?矢花も慶も日本男児なんだからもっと食え!』

そう言って俺だけに留まらず慶君も先輩のパワハラを受ける
…四六時中こんなのと過ごしているのか。慶君の精神力は見上げたものだ


『姉ちゃんこそそんなに食べて…そのうちブクブク太って誰も結婚してくれなくなっちゃうよ〜?』

『…うっ…痛い所つくよね…小六の癖に!』

『小六でもそれぐらいわかりますー』


慶君がいーって先輩に歯向かう
俺から見たら可愛らしい争いだ


『…あっ、そろそろ食べ放題の時間終わりますよ』

慶君が時計を見て俺らに報告してくれる
…最近の小学生はこんなにもしっかりしているのか


『…なんか、いきなり緊張してきました。俺役目果たせますかね…』

『どうだろ、そんな高度な事バナに求めてないから。まあ気楽にやってほしいかな…』

『そうですよ、姉ちゃんのこんなとんでも要求引き受けてくれるのきっと矢花君しかいませんからね』



…確かにめんどくさいしやりたくはないんだけど
あの日の先輩に酷く同情してしまったのも確かだったからここで俺が中途半端に投げ出すわけにはいかない


『…精一杯努めさせていただきます』


『よろしい』


…大丈夫
俺ならやれる…気が、する


これは恋じゃない、愛でもない
だけど目の前にいる先輩を無性に助けてあげたい、守ってあげたいそう思うのはなんなんだろう

…父性?


…これきっと父性だ
先輩を父親のように助けてあげたい、そう思うのは自然な事だ


だからこれは恋じゃない

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マリエ(プロフ) - 海宙さん» 身に余るお言葉を頂きありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2022年2月24日 18時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - とても綺麗な作品で毎回読むのが楽しみです。これからも無理の無いペースでの更新を頑張ってください。 (2022年2月23日 0時) (レス) @page50 id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時:2022年1月26日 9時

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