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白い雲に青い海
申し分ない景色に自転車を二人乗りしている男女

こんなんじゃまるで恋愛漫画のワンシーンだ
だけど決して相手をお互い異性として意識することもなくこれはただ海に行くという目的を果たすための手段に過ぎないのだ


人一人後ろに乗せているわけだからもちろん漫画みたいに楽々ペダルなんて漕げるはずもなく、一挙一動が全て重い


『はあ、先輩ちょっと変わってくれません？』

『いいけど…漕げるかな』

『俺、結構細いですけど』


一旦路肩に自転車を止めて先輩と入れ替わる
これは恋愛漫画なんかじゃない、恋じゃこんな事はしないと思うし



『はあ、矢花意外と重い』

『俺が重いんじゃなくてそもそも2人で乗ってることが問題なんすよ』

『うるさい！』

『先輩だって重かった！』

『マジで失礼！』


俺たちは何度もふらつきながらも海に向かって足を漕ぎ続ける


『まあでも…綺麗だね。来てよかった』

『まだ入ってもないのに』

『なんか元気になるね』


海に行く目的のせいで忘れていたけどそもそもこんな所に来ているのは先輩が元気が無かったせいだ
それを、俺なりに励ましてあげようと思ったって所



『はい、矢花。変わって』

『ちょっと早くないっすか？』

『早くない。大体私の方が年上だし』


先輩に言いくるめられて仕方なく運転を変わる
さっきは重いと思ってたペダルも今なら何故かすんなりと漕げる
前からは海から向かい風が吹いてきて気持ちいい


『あ、ほら海見えてきたよ！』

『意外と人いるんですね〜』

『この時期で海開きしてる所なんて珍しいから集まってきちゃうんじゃない？』

『…たしかに』


平日の昼過ぎなのにファミリーやカップルが沢山いる
みんな楽しそうだ



『本当に海来るの久しぶりかも』

『ここの海来たことあります？』

『実は初めて。家からまあまあ近いんだけどね〜』



そのままペダルを漕ぎ続けていると後ろから先輩があ、駐輪場って言うから俺はそこを目指して速度を下げていく

一応先輩を先に降りさせてから俺も自転車から降りる
籠の中でぐちゃぐちゃになった水着達と貴重品を持って足速に海へ向かう

先輩の足はいつもより軽くて俺も釣られて嬉しくなる


『じゃあ着替えてくるから、3時にここ集合ね。いい？』

『わかりました。』

『あ、私浮き輪レンタルしてくるからちょっと遅くなるかも…』

『…俺の方が早く着替え終わると思うから借りてきましょうか？』

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マリエ(プロフ) - 海宙さん» 身に余るお言葉を頂きありがとうございます！これからもよろしくお願い致します！ (2022年2月24日 18時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
 海宙(プロフ) - とても綺麗な作品で毎回読むのが楽しみです。これからも無理の無いペースでの更新を頑張ってください。 (2022年2月23日 0時) (レス) @page50 id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：マリエ | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/taka231  
作成日時：2022年1月26日 9時

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