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『じゃあ決まり!行こ!今ならまだ遊ぶ時間あるよ』
先輩がバタバタと準備を始める
かと思ったらいきなり真顔になって
『…スクール水着で泳ぐの恥ずかしくない?』
って言った
そんな事承知じゃなかったの?
海パンは正直学校指定でもそうじゃなくてもちょっとタイトなだけでそこまで違いはわかんないけど女の人は形で丸わかりだ
『確かに…じゃあやめときます?』
『ううん…あっ、体操服上から着ればいいじゃん』
『いやいや、着衣泳みたいになりますよ?』
『うーん、上半身水につけなければ大丈夫かな?』
『知りませんよ、そんなこと』
先輩の頭の悪そうな発想になんだか笑えてくる
『ま、考えてもしょうがないんだしさ、とりあえず行こうよ!』
『…俺自転車なんすけど…先輩追っかけてきます?』
『ちょっと!そういう事は早く言ってよ!』
『すいません。置いていくわけにも行かないし…』
俺たちは二人して唸りながら考えているんだけれど、一つもいい案が出てこない
『…じゃあ後ろ乗せてよ』
『え?それ本気で言ってますか?』
『うん本気…まあ図々しいからお礼にラーメンかなんか奢るよ。どう?』
『じゃあ海の近くのうまいラーメン屋でどうですか?あそこ普通に高いんすよね、田舎なのに』
『…高い………仕方ない』
『じゃあこの話乗りました』
俺らはなるべく荷物を減らそうと鞄から出した必要ないと思われる物を全てロッカーに入れた
『…俺の自転車籠、小っちゃいんでスクバも入んないかもしれません』
『はぁ?機能性悪っ!』
『置いてきますよ?』
『…すいません』
先輩は仕方なくスクバの中から貴重品と体操服と水着と変なイラストのタオルを取り出してあとは全部雑にしまい込む
『じゃあ行く?』
『そうですね、行きましょうか』
『…お世話になります』
まず、籠に二人の持ち物を入れる
小さい籠だから当たり前のようにいっぱいいっぱいになるけど落とさないでいけるとは思う
そしたら、俺はいつものように自転車に乗って先輩が後ろの金属の部分に座る
『うわっ、つめた!』
『そんな冷たいですか?太陽で多少温まってると思ったんですけど』
『そういう素材じゃないんじゃない?太腿がめっちゃ冷たい!』
『我慢してくださいよ…』
正直そんな事俺に言われても困る
『ほら、先輩。行きますよ、営業時間終わっちゃうから』
先輩はこくりと頷いた
俺はいつもより少しだけ勢いよくペダルを漕ぎ始めた
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マリエ(プロフ) - 海宙さん» 身に余るお言葉を頂きありがとうございます!これからもよろしくお願い致します! (2022年2月24日 18時) (レス) id: c6cf29b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - とても綺麗な作品で毎回読むのが楽しみです。これからも無理の無いペースでの更新を頑張ってください。 (2022年2月23日 0時) (レス) @page50 id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マリエ | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/taka231
作成日時:2022年1月26日 9時