キミと月のブランコ。４ (ページ47)

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47～side 剛典～ページ47

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ソファーに三角座りするAちゃんはずっと膝に顔を埋めたまま。

泣き疲れちゃったかな。

「実家、どうだったの？大丈夫だった？」

千夏が隣で背中を摩ってあげてる。

俺は目の前に座って話を聞いてあげるくらいしか出来そうにない。

「………あのね、」

泣いたせいもあって凄い鼻声で、詰まりながらも家族の話をしてくれた。

「だからそんなに泣いてたのか。辛かったね、A。」

俺も、ちょっとやばいかも。

すぐもらい泣きしちゃう。

「それもあるんだけどね…………それだけじゃなくて。」

「…………臣さん？それとも、隆二さん？」

俺がそう聞くと、ばっと顔を上げたAちゃん。

目を真っ赤にさせて顔を歪ませた。

「聞いたよ、隆二さんから。」

臣さんを選んだってこと。

隆二さんへこんでたよ、って言いたくなったけど。

Aちゃんのこんな姿を見たら今は口に出さない方がいいかなって思った。

「ごめんね、私も剛典から聞いちゃった。それで、どうしたいの？そんなに泣くってことは、悩んでるんでしょ？」

さすが女子ー。グイグイいくね。

「私、間違ってたのかな……自分の気持ちはっきりしなくて、わかんなくなっちゃった。」

「臣くんのこと、好き？それとも、まだ隆二くんが好き？」

千夏の言葉に首を傾げたAちゃん。

「新幹線で隆二のアルバム聞いたの。そしたら……隆二で、いっぱい。」

「それがAの本心でしょ？どうして臣くんを選んだのかわからないけど、大事なのはAの気持ちなんだよ。」

「うん。」

「臣さんすげぇ好きなんだと思う、Aちゃんのこと。隆二さんを傷付ける覚悟で本気になったと思うよ。

だけど隆二さんも本気でずっとAちゃんのこと想ってる。Aちゃんの好きな歌、絶対歌うんだってボイトレも必死になってたし。きっと、今でも。」

「そうなんだ。」

「どっちを選んでも絶対幸せになれるよ、俺が保証する。あとはAちゃんが誰と一緒に居たいのか、誰と幸せになりたいかじゃない？」

自分の気持ちに蓋なんかしなくていいんだよ。