キミと月のブランコ。４ (ページ4)

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4～side 隆二～ページ4

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「何回か会ったの、臣くんと。でも会う約束してたわけじゃなくて、偶然だよ。本当に、偶然なの。」

「ならなんで俺に隠してたの？普通に話してくれれば良かったのに。」

「…………嫌がると思ったから。隆二に嫌な思いさせたくなくて。」

＂ごめんね。＂って、Aはしゃがんで俺の手を握った。

「俺、そういうの本当に無理。」

「えっ？」

「自分の彼女が男と一緒に居るのは許せないよ俺。」

「私のこと、許せない？」

「……………そうは言ってないけど。本当に偶然なだけなのかなんてわからないじゃん。」

「どういうこと？」

「臣が偶然を装ってるとか………あるかもしんないよ。」

考えれば考えるほど、さっき臣が振り向いたこともあの表情も気になって気になって。

意味もなくあんなことするかよって……

深みにハマっていく。

「そんなこと、言わないで。」

「なんで。」

「臣くんはそんな人じゃない。私が隆二の彼女だから、気にかけてくれるだけ。だから、隆二の勘違いだよ。」

「だから、なんで？」

「えっ？」

「さっきから臣のこと庇ってるようにしか聞こえないんだけど、俺には。」

「………庇っちゃダメだった？忘れた物を届けてくれた臣くんにありがとうも言えなくて、申し訳ないなって私は思ってる。」

「俺が言っとく。」

「これ以上、臣くんのこと悪く言わないで。隆二の口からそういうの聞きたくないよ私。」

「Aは…………Aはどうなの？」

「私？」

「臣のこと……………どう思ってんの？」

「どうしてそんなこと聞くの？」

不安になるんだよ、俺はいつも。

「Aがなに考えてるかわからない。」

「どういうこと？」

「俺はもっと会いたい。Aが臣と会う隙がないくらい、一緒に居たい。」

「私だってそうだよ？」

「本当にそう思ってんの？」

「……………。」

「なんで黙るんだよ。」

ねぇ、A。

俺はこんな風に困らせたいわけでも、責めたいわけでもないんだよ。

ただ確かめたいだけなんだよ。

Aが俺のことを好きってことを。