キミと月のブランコ。４ (ページ17)

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ひとりになった帰り道で気付いた少し暗くなった街中。

消えたんだね、東京タワー。

約束したもんね、一緒に見ようって。

でも隆二、もう一緒には見れないよ。

恋人とじゃなきゃ、意味ないんだよ。

それとも本当は別れたくなかったの？

期待させるようなことしないでよ、隆二のバカ。

家までの道のりはとっても長くて、辛くて、悔しい。

隆二と手を繋いで歩いたこと、ふざけて笑い合ったこと、温もりを感じ合ったこと。

全部が思い出になっちゃうの？

忘れなきゃいけないの？

隆二へのこの気持ちも全部、全部。

消えちゃうの？

素直じゃなくて可愛げなんて一つもなくて、いつも困らせてばかりだったけど。

隆二を好きな気持ちは誰にも負けないのに。

もっと伝えていたら私たちの未来は変わってた？

あの日ライトダウンが見れてたら幸せになれてた？

伝説なんか信じてなかったけど、今になってちょっと信じちゃうよ。

でも、不思議。

本当に悲しいときって涙が出ない。

心の中は泣き叫んでるのに、涙はちっとも出ない。

家に着いてからも平常心とまではいかないけど、普通にお風呂に入って普通にベッドに潜って。

いつもよりは遅くなったけど、普通に眠れた。

枯れちゃったのかな、心も涙も。

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「えっ、なに！？なに！？」

「だから…………隆二と別れたの。」

「なに！？なんで！？ねぇ、なんで！？」

「知らないー。疲れたんじゃないの、私と居るのが。」

「なにそれー。隆二くんがそんなこと思うかなぁ。あんなにAのこと好き好きーって言ってたのに！？」

次の日ボンちゃんの家でボーッと過ごした。

私に遠慮したのかDVDは付けずにただ一緒にテレビを見て、ボンちゃんはずっと隣に居てくれた。

「もっと泣いたりするんだと思ったら、全然だね。」

って、ボンちゃんが驚いくほど私は普通だった。

岩ちゃんが帰ってくるまでは。