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外気で寒くなった体を温めるために２人で毛布に潜り込んだ。
隆二さんが伸ばしてくれた腕の上に顔を乗せて、同じ目線。
見つめられすぎてクラクラしちゃう。
「今日は何するの？」
「んー、メイクの練習かな。もうすぐ大会だから。」
「大会？メイクの？」
「うん、エステとメイクの社内大会があって。東京代表なんです私。」
「代表なの！？すげぇじゃん。全国にあんの？お店。」
「まだ関東だけなんですけどね。そのうち全国展開するらしいけど。」
「じゃあ関東の中で競うってことか。」
「優勝したらハワイ旅行ですよ。絶対優勝する。」
「マジで！？めっちゃいいじゃん。いけるっしょ、ゴッドハンドなら。」
「うん、頑張る。そうだ隆二さん、そろそろ予約入れないと埋まっちゃいますよ？」
「あー、そうだよね。最近行ってねぇや。あとでスケジュール見とく。」
「早めにね。」
「わかった。あっ、この話題あんま出したくないんだけどさ……」
なら出さなきゃいいのに。
「なんですか？」
「昨日………臣って、何しに来てた？」
気になることは解決するまで聞くタイプの人だってこと忘れてた。
「ピアス届けてくれただけです。あっ、あと予約していきました。」
「えっ！？なんで！？」
「エステ受けたいって。」
「…………適当でいいからね、適当で。」
「なんでですか。それは私のプライドが許さない。」
「わかるけどさぁ。もー、なんだったんだよ俺の今までの努力は。超ムダじゃーん。」
「なにがムダになったんですか？」
「馬に跨ってさぁ、めっちゃ戦ったんだよ臣とー。」
なに言ってるんだろう。
「あいつ今頃鼻で笑ってそう。」
��うぜぇ。��って、言葉とは裏腹に笑った。
「まぁいいや、もう。」
「………そうですか。」
話の内容はさっぱり分からないけど、なにやら自己完結した様子。
「私の中では隆二さんの一人勝ちですよ。」
「どういう意味？」
「隆二しか見てないから、私。」
隆二さんの頬がじわじわ上がってく。
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作者名：taka
| 作成日時：2017年3月3日 22時
