キミと月のブランコ。３ (ページ9)

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朝起きたら好きな人が隣にいるって、こんなに幸せだったかな。

夢から覚めると、毛布の中が温かかった。

昨日まではひんやりする空気のせいで身震いしていた冬の朝。

今日はすごく温かい。

それは隣で眠る隆二さんが居るから。

静かに寝息を立てる隆二さん。

寝顔も好きです。

清々しい気分で手を伸ばしてカーテンの隙間から外を見たら、見事に雪景色。

こんな景色を見たのは何年ぶりだろう。

思わず目を瞑りたくなるほどキラキラと輝いていた。

「まだ雪降ってる？」

雪に見入っていたら耳元で聞こえた隆二さんの声。

上半身を起こした私の腰元に右手を付いて、左手はお腹に巻き付いて。

「もう降ってないけど、すごく積もってます。」

「えー、マジで………ほんとだ。」

体を伸ばして外を覗くから体が密着して、それだけでドキドキする。

思い出しちゃう、いろいろと。

「隆二さん、」

「ん？」

「おはよう。」

「おはよう。」

好きな人と目を合わせてする朝の挨拶。

今日も一日頑張ろうって思える。

「時間大丈夫ですか？」

「うん、午後からだから。Aは？」

「休みです。」

「そうなの？今日木曜じゃないよ？」

「木曜以外はシフト組んでるんです。」

「そうなんだ。さすがに週６はないか。」

「そんなブラック企業だったらとっくに辞めてますよ私。」

「だよね。俺も辞めろって言うな、絶対。」

「隆二さんは休みあるんですか？」

「あるよちゃんと。不定期だけど。」

「なかなか休み合わなそうですね。ボンちゃんも岩ちゃんと合わないってよく言ってるし。」

「忙しい時期はちょっとね。でも会える時は会いに来るから。」

「うん。」

「電話もするから。」

会えない時間も私を想っててくれるだけで充分。