33 ページ33
.
「もしかして、雪にダイブしたこと超後悔してんじゃない？」
ズバリ、言い当てられちゃった。
「う、うん。」
「ぼーっとしてると思ったら、熱出てんじゃん。」
「………これくらい、大丈夫です。」
「ごめんね、こんな時に。無理させてたよな。」
「仕事ですから。気にしないで下さい。」
「気持ちよかったよ、Aちゃんのエステ。」
「寝てたのにわかるんですか？」
「久しぶりにいい気分で寝れた。Aちゃんのエステのおかげで。ありがとう。」
そう言って臣くんは優しく微笑んだ。
今だけは、崩れた体調に救われた気がした。
熱くなった触れられた頬っぺたを、熱で誤魔化すことが出来たから。
.
.
「体調はどう？」
家に帰って倒れ込んだベッドの上。
タイミング良く電話をくれた隆二さんの声が耳に届いた瞬間、どうしようもなく会いたくなった。
「心配ないよ、少し怠いだけだから。明日には治ってると思う。」
だけど甘え方さえ忘れた私は強がるばかり。
「本当に？もう少ししたら仕事終わるから、そっち行こうか？」
「ううん、隆二に移したくないし大丈夫だよ。」
「明日も仕事？」
「うん、だから今日はもう寝ようかな。」
「そっか。辛かったら連絡して？すぐ行くから。」
「うん、ありがとう。隆二も遅くまでお疲れ様。」
「うん。ねぇ、A…」
「ん？」
「……………おやすみ。」
「おやすみなさい。」
電話を切ったら、なぜか流れた涙。
弱った時っていろんな感情が湧いてくる。
ひとりぼっちの夜。
隆二さんにそばに居てほしい、ぎゅってして欲しい。
そんな寂しい感情と、
隆二さん、ごめんなさいと反省の気持ち。
少し、ほんの少し………
臣くんへ心が揺らいじゃったの。
憧れてた人に褒めてもらえた事が舞い上がるくらい嬉しくて、努力が報われたようだった。
戸惑うこの気持ちを流してしまいたい。
隆二さんでいっぱいになりたい。
会いたいよ、隆二さん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：taka
| 作成日時：2017年3月3日 22時
