キミと月のブランコ。３ (ページ4)

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隆二さんとのファーストキス。

顎をクッと引いて、私から唇を離した。

「隆二さん、」

「ん？」

「………………好き。」

溢れる気持ちを伝えたくて。

そしたら優しい顔をした隆二さんは目を合わせてきて。

「俺も、言っていい？」

って、聞いてきた。

前に＂言わないで。＂って私が言ったからだと思うけど。

「………ダメ。」

「なんで？」

これ以上のときめきに耐えられない。

だけど、隆二さんの声で聞きたい。

「…………嘘です。」

恥ずかしくて俯くと顎に手が添えられて、上に向かされた私の顔。

真っ黒な瞳がハニかむ私をしっかり映した。

「好きだよ………A。」

甘くて熱っぽい声で、そう言った。

隆二さんの気持ちと名前の呼び方が変わったことが嬉しくて、上がる頬を必死に堪えて頷いた。

そんな私に隆二さんは頬を指で撫でながら、キスを。

優しいだけじゃなく、気持ちをぶつけるように熱いキス。

力強く抱きしめられた腕の中で、何度もそんなキスが降り注いだ。

唇が離れたらにこりと笑う隆二さん。

＂やばい。＂とため息混じりに呟いて私の肩に顔を埋めた。

「ねぇ、A……」

「なんですか？」

「もう………帰りたくないよ、俺。」

甘えた声でそう言って、髪に鼻を擦り付ける仕草にドキッとさせられた。

「隆二さん…………帰らないで。」

まだ、一緒に居たい。

ずっと、ずっと一緒に。

「もっと、していい？」

耳に熱い息を吹き込むように囁いて、私の体の向きを変えた。

向かい合わせになった私と隆二さん。

お互いの背中に腕を回して、唇を重ねた。

隆二さんにかけられた魔法はきっといつまでも溶けずにいる。

これからもっともっと、この気持ちは膨らんでいくんだと。

甘いキスに酔いしれながら、そう思った。