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見上げると、私の視線に気付いた隆二さん。
目を細めて微笑んだ。
また積もった隆二さんへの好きって気持ち。
見透かされたくなくて、肩におでこをスリスリ。
「どうしたの？」って、ちょっと笑ってる。
「………嬉しいんです。」
小声でそう言えば、指先でポンポンとしながら顎を頭に乗せた隆二さん。
「Aが喜んでくれるなら、俺はなんでもするよ。」
「………うん。」
「また逃げたくなったら、俺のとこにおいで。そばに居るから。」
「りゅう、じ。」
「甘えていいんだよ、俺に。」
髪に口を付けながら、柔らかい声でそう言った。
隆二さんの言葉は私の全てを包み込んでくれる。
嬉しくて、嬉しくて。
背中に腕をまわして、隆二さんの胸に飛び込んだ。
出会えてよかった。
好きになってよかったと、思わずにはいられなかった。
街灯の小さな明かりに照らされて、隆二さんの腕の中。
これまでにない幸せを感じた。
「寒い？」
ふと私の頬を撫でた隆二さんは心配そうな顔で聞く。
「………ちょっとだけ。寒くなってきちゃった。」
夜の風は冷たさを増すばかり。
吐く息も真っ白。
私の体温を確かめるように隆二さんは頬を撫で続けてる。
「来る？」
甘さが混じる声と、色気のある瞳で。
「え？」
「俺んちに、来る？」
私を掴んで離さない。
「まだ一緒に居たい。」
「私も、です。」
好きになればなるほど欲張りになってく。
もっと一緒に居たくて。
もっと近づきたくて。
もっと触れ合いたくて。
誘ってくれることを、待っていたんだから。
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作者名：taka
| 作成日時：2017年3月3日 22時
