キミと月のブランコ。 (ページ47)

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「隆二さん、寒い？」

「うん………ちょっとね。」

「少しコタツに入って温まります？」

「そうしよっかな。気にしないで寝てね。」

そう言って隆二さんは布団から出した体をコタツに移した。

スイッチを入れて＂あー、あったけぇ。＂と呟いた隆二さんは、ラグからお尻が半分だけ床の上に出ていた。

「隆二さん、そこお尻冷えますよ。布団の上に座ってください。」

私は体を起こして、隣にスペースを空けて座った。

「寝なくて平気？」

って、心配そうに聞いてくる。

「はい、お風呂出たばっかりで目が冴えちゃって。」

それに、隆二さんが起きてたら気配が気になって寝付けません。

「じゃあ、お邪魔します。」

ハイハイするように移動してきた隆二さん。

２人で布団の上に座って、一緒にコタツに入った。

隆二さんは胡座をかいて、私は体育座り。

触れそうで触れない距離に、ドキドキする。

「あっ、コーヒー飲みますか？淹れますよ、私。」

ちょっと耐えられないかも、この状況。

「うん……分かるの？岩ちゃんちだけど。」

「いつもやってるんで大丈夫です。岩ちゃんにコーヒー淹れてって言われることあるんで。」

私がキッチンに立つと、隆二さんは首を伸ばして私に話しかける。

離れてるせいで声がデカめ。

「マジで！？あいつ何様！」

「俺様ですよ！私彼女じゃないのに。」

「すげぇな岩ちゃん。」

「いい人なんですけどね、基本は。たまーに上から来るんですよねぇ。」

「あー、めっちゃ分かるそれ！たまにドヤ顔しない？俺いい事言ったっしょ、みたいな。」

「するー！あれほんと腹立つんですけど！蹴り飛ばしてやろうかと思いますよ！」

「やっちゃえやっちゃえ！」

ケトルのお湯が沸く間、岩ちゃんの話で盛り上がりたくさん笑った。

ネタにしちゃってごめんね、岩ちゃん。

本気じゃないから許してね。

そして、聞こえてない事を祈る。