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実家から戻った次の日、連休最終日に訪れたのは美容院。
傷んで暴れる毛先を整え、グラデーションがかった髪色を根元から統一させる。
私を担当してくれるのは親友のボンちゃん。
学生時代にゴム製の容器に入ったボンボンアイスばかり食べていた彼女。
本名は大木千夏。
私は勝手にボンちゃんと呼ぶ。
あだ名の由来を知らない子たちは��メガネのおかっぱ頭のあの人��からきてるの？なんて不思議がっていたけど。
ボンちゃんは嫌がることなく、もう１４年もそのあだ名と付き合っている。
「実家どうだった？」
私の髪にカラー剤を塗り込みながら、鏡越しにボンちゃんは聞く。
「んー、時間の問題かな。パパはもう、無理そう。」
「そっかぁ。おばさん、もう少し子どもの事も考えてくれたらね……いいのにって私は思っちゃう。」
「私も常に思ってるよ。ほんと、結婚なんて……するもんじゃないよ。」
「それは人それぞれでしょ。結婚して良かったって心から思う人だって沢山いるよ？」
「そうなればいいけど……あっ、ボンちゃんのとこはさ、絶対そうなるよ！仲良いもんね。」
年下の彼氏がいるボンちゃん。
彼とは結婚までにはまだ至らずだけど、一年続く同棲を楽しんでいる。
「うちは結婚なんてまだまだ考えてないけど、いつかは出来るといいなぁって思うよ。」
「今はタイミングじゃないよね、あの子。引っ張りダコだもんね、仕事。」
「まぁね。いつまで続くか分かんないけど。」
「あっ、そうだ！」
「なに！？急にでかい声出さないでよ！」
「ごめんごめん！あのね、昨日の新幹線でさぁ。」
「うん、実家の帰り？」
「そうそう！隣だったんだよ、あの人が。」
「誰だか全然分かんないんだけど。」
「誰だっけ、あの人。」
「誰だよ、あの人って。」
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作者名：taka
| 作成日時：2017年1月19日 20時
