キミと月のブランコ。 (ページ28)

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「私言いませんでしたっけ、ダメだったら連絡しますって。」

なんかこれ、性格悪すぎる。

でもちょっと不貞腐れてます、私。

「うん、言ってたよ。」

「ですよね。言ってなくて、待たせちゃってたかと思いました。」

「待ってたよ。ずっと待ってた。」

「予約大丈夫だったんで、電話しませんでした。確認のメールくらい入れれば良かったですよね。」

「俺もう待てなかったからさぁ。」

「すいません、私からするべきだったのに。」

「俺が言ってる意味分かってる？」

だからぁ、予約入れたか確認の連絡くらいしろって事でしょ？

「はい、分かってますよ。予約の連絡をし、」

「あー、違う違う！そんなんじゃなくて。」

「………なんですか？」

「待ってたんだよ、Aちゃんからの電話。」

「はい、だから…」

「俺からすればよかったんだけど。がっついてると思わ………れてもいっか、もう。」

なんだ？

「俺………気になってる、Aちゃんのこと。」

「えっ！？な、なに！？」

「だから、俺のこともっと知って欲しい。肌のことだけじゃなくて、中身も全部。」

「あ、あの……隆二さん。」

「とりあえず明日、行くから。俺の担当ずっとAちゃんでよろしくね。」

「はい。」

「じゃあ、またね。おやすみ。」

「おやすみなさい。」

唖然と携帯の画面を眺めた。

なんだ今の。

突然過ぎて、何を言われたのかよく思い出せない。

でも隆二さんは、私を……。

どうしよう………嬉しい。嬉しすぎる。

今すぐ暴れて叫びたい衝動に駆られた。

足早に帰ったアパート。

荷物を床に頬り投げベッドにダイブ。

枕に顔を埋めて思いの丈をぶちまけた。

「隆二さーん！好きになっちゃうー！！」

下の住人に音が聞こえるのなんて気にすることなく、ベッドで脚をバタバタさせながら。