キミと月のブランコ。 (ページ24)

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24～side 剛典～ページ24

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「おはようございまーす。」

「おはよー。」

「あれ、隆二さんだけ？」

「うん、俺も今来たんだけど。誰も居なかった。」

大阪でのライブ初日。

楽屋に居たのは隆二さんただ一人。

トートバッグからあれやこれやと荷物をテーブルに広げてる。

トレーニングするためにジャージに着替えていたら、聞こえてきた隆二さんの独り言。

「あーまっ。」と。

何の事だろうと見てみたら、ペットボトルのラベルをジーッと眺めてる。

「なに飲んでんの？」

「ほっとカルピス。岩ちゃんこんなのあるの知ってた？」

「うん………知ってた。」

「マジで？俺最近まで知らなかった。甘過ぎるけど、美味いねこれ。」

「なんで急に飲もうと思ったの？隆二さん甘いの飲まないじゃん。」

「んー…………秘密。」

ニヤッと笑ってまた一口飲んだ。

そして＂あーまっ。＂って呟いた。

そんな無理に飲まなくてもいいのに……。

いくらAちゃんが好きな飲み物だからって。

いつの間にそんな情報手に入れたんだか。

小腹が空いてテーブルに置いてあるお菓子を食べながら向かいに座る隆二さんを観察。

しきりに携帯を気にして何度も画面に触れてる。

そして鏡を見ながら髭を撫でる。

また携帯を見て、はぁ～とため息をつく。

見ていて飽きない。

なんて思っていたのに、俺の興味はあっさり無くなって千夏とLINEタイム。

＂隆二さんがほっとカルピス飲んでる！(笑)＂

って送ったら、

＂Aが昨日コーヒー飲んで、やっぱ無理って吐き出した！(笑)＂

と返ってきた。

なにがあったんだ、この２人。