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お昼ごはんを食べ終えて、ソファーに2人で寝転がる優雅な休日。
隆二と付き合ってこうして1日ゆっくり出来たのはこれが初めて。
くの字に曲げた腕に頭を乗せて横になる隆二の前に私がコロンと転がると後ろから優しく包んでくれた。
とても、とーっても幸せ。
なにをするわけでもなく、お互いの体温を感じながら私たちの視線は同じ方向。
大画面のテレビに映る臣さんに夢中。
隆二のDVDボックスから見つけた映画。
純愛を描いた、名作ホットロード。
あの臣さんが純愛とか………。
なんだか複雑な気持ちで観てみたら意外にも、かっこいい。
「やばっ、臣、かっけぇー。」
「やばいね今の!言われてみたいわぁ。」
「…………おまえ、女の俺にならない?」
「はぁ?女の俺ってなに!?」
「あれ?違う違う!俺の女だ!」
「さすがイマイチー。」
「もう1回やっていい?」
「いいよ、やってみて?」
「…………おっまえ、俺の……女……」
「ちょっとー!」
「ダメだ!俺こんなクサイ台詞言えない!」
噛み倒した隆二は耳元でゲラゲラ笑う。
つられて私もゲラゲラ。
笑える映画じゃないのにその後も隆二の小芝居に付き合わされてお腹を抱えながら笑った。
でも最後には………
「A、俺にもティッシュ。」
「ん。」
感動して、2人で泣いた。
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作者名:taka | 作成日時:2016年8月23日 18時