story49 ページ6
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「……………んー、さむ。」
夢から覚める途中、冷たい空気に晒された体。
あまりの寒さに毛布を頭まで被って暖を取る。
寝返りを打つと後ろからふわりと温もりに包まれた。
「………寒い?」
「……うん。」
「もっとこっちにおいで。」
寝起きの掠れた声にドキッとしながら、もう一度寝返りを打って隆二の胸にすっぽり収まった。
なにも身に纏わずに眠りについた私たち。
素肌にお互いの熱が伝わった。
毛布から顔を出して寝起きの顔を拝見。
開けきらずにとろんと下がった目が可愛い。
隆二の脚の間に自分の脚を挟むように絡ませたら大人の感触がした。
…………下半身は、可愛くない。
「…………わざと?」
太ももに腰が押し付けられた。
「なにが!?」
「…………これ。」
指でツンと突くと、にやりと笑った。
「朝だからね。」
「元気でなによりです。」
「ねぇ、Aちゃーん。」
甘え上手な隆二。やっぱり私のツボを熟知してる。
けど、朝からは………ちょっと。
「やだ。」
「えっ、俺まだ何も言ってないじゃん!」
「言われなくても分かるし!」
「だめ?」
「そんなんで1年耐えられるの!?」
「あー、やべぇ。考えてなかったわー。1年も禁欲生活かよ。」
「右手が恋人だね、隆二も。」
「…………復活か。Aー、やっぱり一緒に…」
「サイテェー!そんなんで連れてくとかサイテェー!」
「冗談じゃん!我慢するから行くまでいっぱいしようね、Aちゃん。」
「使えると思ってるでしょ、その言い訳。」
「バレた!?」
でも、そう言われたら私は断れないかも。
1年も離れるから、
好きと言ってほしい、
抱きしめてほしい、
キスをしてほしい、
えっちをしたい、
そんな隆二のわがままを全て受け止めてあげたい。
私も同じ気持ちだから。
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作者名:taka | 作成日時:2016年8月23日 18時