恋になるとき。６ (ページ47)

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「あぁ………緊張したぁ。」

甘いキスのあと、隆二は心の底から安心したような声でそう言った。

「隆二………泣きすぎ。」

「Aもね。」

２人して指では拭いきれないほどの涙を流した。

「私はいいの！嬉しくて泣いてるんだから。」

「俺だって嬉しくて泣いてんの！」

「プロポーズが大成功して嬉しいの？」

こんな計画いつから立ててたの？

照れ屋の隆二には勇気が必要だったでしょ？

指輪もガラスの靴もこっそり用意してくれて。

私は世界一の幸せ者じゃない？

カッコよくて、優しくて、甘く可愛い隆二に愛されて。

私の顎に手を添えて親指で頬を撫でながら、隆二は優しい顔をする。

その顔を見たらまた涙が溢れた。

「それもそうだし、Aが喜んでくれて嬉しい。」

「隆二、大好き。」

私がそう言うと、見つめた隆二の瞳からもまた一粒の涙が真っ直ぐ流れていった。

「俺も。」と顔をクシャっとさせて笑いながら。

ふと、脚の上に乗せた婚姻届に目を向けた。

「隆二、ビショビショになっちゃった。」

おまけに握り締めたせいでグシャグシャになってる。

「あーぁ、ほんとだ。」

「これもう使えない？」

「ちょっと待って！俺からのラブレター出そうとしてるの？」

「えっ！？違った！？」

「もぅー。これは記念に残しといてよ。」

「そっか！そうだよね！」

「東京に戻ったら、一緒に貰いに行こうよ。婚姻届。」

「うん、行く。」

「出しに行くのも一緒にだからね？」

「うん。」

「なに？なんか、嫌そうなんだけど。」

「…………いいの？」

「ん？なにが？」

「今市隆二が結婚なんて、本当にいいの？」

嬉しい反面、怖くもなった。

どれだけの人に反対されるだろう、と。

「今更断らないでよ？」

「…………ダメ？」

「はっ！？」

「…………冗談、です。」