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夜はテレビをつけずにオレンジ色の暖かい火を灯す暖炉の前で、ラグに寝転がりまったり。
2人の頭がすっぽり収まる大きさのクッションに頭を一緒に乗せて、一枚の毛布に包まって。
雑誌を天井に掲げるように持つ隆二に横からギューッとしがみついて私もページを覗く。
「さっき言ってた滝ってどこ?」
「どこだろう………写真しか見てなかった。何ページだったかなぁ。」
「見ずらい?もっとこっちにおいで。」
そう言って腕を敷いてくれた隆二の胸に頭をコテンと乗せた。
隆二の匂いと温もりに包まれて、幸せだなぁと心から思った。
「あっ、あった!ここでしょ?」
私に顔を向けて聞く隆二と唇が触れそうな距離で目が合った。
「雑誌見てないでしょ?」
「うん………隆二のこと見てた。」
「えっ、なにぃ?見惚れてたのぉ?」
嬉しそうに鼻の下がデローンと伸びてる隆二は雑誌をバサッと床に放った。
「……………好きだよ、隆二。」
無性に伝えたくなって、頬にキスをしながら囁いた。
「俺も好きだよ。超好き、Aのこと。」
今度は隆二から頬にキスをしてくれた。
微笑みあって、お互いに唇を付けて苦しいくらい抱きしめ合った。
想いをぶつけるように、キツく。
「ここでしてもいい?」
「………ぅん。」
「そろそろ1個目使わなきゃ。」
「全部使う気?」
「買い足す気。」
「何しに来たの?」
「…………抱きに来た。」
「カッコつけてるけど、間違えてるからね?旅行だよ!」
「でも、ドキッとしたでしょ。」
「しちゃった。」
「知ってる。顔真っ赤だもん。」
「うそ!?」
「ほんと。」
私に覆いかぶさって色気を帯びた瞳で見下ろしたあと、耳たぶをくわえた隆二。
甘い声で、
「可愛いよ。」
そう囁いて、優しく抱いてくれた。
汗を光らせながら私にもたれ掛かる隆二越しに、窓からは無数に輝く星が綺麗に見えた。
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作者名:taka | 作成日時:2016年8月23日 18時