恋になるとき。６ (ページ37)

今日:23 hit、昨日:18 hit、合計:1,307,329 hit

＊～side 隆二～ページ37

.

ドライヤーで髪を乾かしていたら、後ろでシャワーでサッパリした３人がクスクス笑ってる。

「なに！？」

振り返ると臣が人差し指で俺の尻を指してる。

「隆二のムスコはそんなに長いの？」

「えっ！？」

「隆二さん、見栄はりすぎ！」

「はぁ！？」

「パンツ、逆やで？」

「パンツ！？」

自分の尻を見たら、窓が後ろにあった。

割れ目が割れ目に。

「なんか履き心地悪いと思ったんだよー。」

３人に笑われながら履き直した。恥ずかしい。

「今日から旅行だっけ？」

「あー！それで急いでんだ、隆二さん。」

「ええなぁ。俺も連れてってくれへんかなぁ。」

「やだね。」

「ねぇ、隆二さん。どこ行くの？」

「かる、軽井沢。」

「超軽そう。」

「臣さん、いちいち突っ込まなくていいから。噛むたびに反応してたら疲れるよ？」

「今日も２時間で５回も噛んだわ。」

「ここええやん！この滝、夜になるとライトアップされんねんて！」

「健二郎さん、見せて？」

「健ちゃんまさか2人に着いてく気なの？」

「いや、隆二はケチやから。画像見て行った気分だけ味わってんねん。」

「アホちゃう？」

「臣ちゃーん！アホ言わんといてやー。」

わちゃわちゃと盛り上がる３人を見てると安心する。

それと同時にこいつらともしばらく会えないと思うとまた寂しくなった。

今すぐ………１秒でも早くAに会いたくなった。

俺の心に空いた穴を埋めてくれるのは、いつだってAだから。

.

スタジオを出て車を急いで走らせる。

帰る前に寄らなきゃいけないとこがあるから、スピードもぐんぐん上がる。

緊張しながら潜ったガラスの扉。

カウンターに立つ女の人はピシッと背筋が伸びてて、雰囲気に呑まれそう。

「すい、すいません。予約した、い、今市です。」

…………また噛んで、めっちゃ恥ずかしい。

クスッと笑う女の人は「お待ちしておりました。」と綺麗な笑顔で微笑んだ。