恋になるとき。６ (ページ36)

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story52 ～side 隆二～ページ36

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「健ちゃーん！ねぇ、健ちゃーん！」

「あー？お前うるさいねん！バンバンすんな！」

「まだぁー？俺、急いでんだけどー！早くー！」

「他にもあるやんけ！」

「あるけど、臣と岩ちゃん入っちゃったんだもーん！」

収録終わりのシャワー室。

一刻も早く帰りたくて駆け込んだらすでに３個あるうちの２つが埋まってて、ラスト1つの個室に入ろうとしたら中には真っ裸の岩ちゃんが居た。

「ごめんね、隆二さん！お先！」

と、ムカつくくらい爽やかな笑顔でドアを閉められた。

岩田のくせに。

「臣ぃー？」

怖いから遠慮気味に優しくドアをノック。

「まだ頭しか洗ってないから無理！」

「そっか。」

ここは潔く諦めよ。

そんなこんなで健ちゃんが入ってるドアをバンバンドンドン叩いて催促。

けど、なっかなか出てこない。

「もうちょっと待てや！ちゃんと洗わな臭なるやろ？」

「誰も健ちゃんのニオイなんて気にしてねぇし！彼女も居ないのに何のために洗ってんだよ！」

よく考えたら当たり前のことだけど、こんな時くらいちょっとは急いでよ。

「お前アホか！俺はモテたいねん！」

そういう事言う人ほど、モテないよね。

「健ちゃんは臭くてもいいって言ってくれる子がどっかにいるよ！だから早くして！マジで！」

「臭いって言うな…」を最後にシャワーの音で遮られた俺と健ちゃん。

「なにそんなに急いでんの？」

やっと出たー！と思ったら出て来たのは、岩ちゃん。

入ったばっかりなのに。

「岩ちゃんちゃんと洗ったの！？めっちゃ早くない！？」

「洗ったよー！嗅ぐ？」

「嗅がない。」

雑に服を脱ぎ捨ててシャワーを浴びた。

急ぎたいとこだけど、Aにクサいなんて思われたくなくて隅々まで綺麗に洗った。