恋になるとき。６ (ページ4)

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触れるだけのキスをしてくれた隆二はまたギュッと抱きしめてくれた。

離れるのを惜しむように。

「ねぇねぇ隆二、私も………夢が出来たよ。ちょっと前に。」

ちっぽけだけど、笑わないでね。

「なに？聞かせて？」

「笑わない？」

「笑わないよ。人の夢を笑うような奴、嫌いだよ俺は。」

「どんな夢？」そう言いながら、私の頬を微笑みながら撫でる隆二。

「あのね………隆二のお嫁さんになる」

「うん。約束したからね。」

「それで、いつか隆二の赤ちゃんを産みたい。」

頬を撫でていた手が動きを止めた。

隆二の目には、きらりと涙が光る。

「隆二？」

目尻に親指を這わせると、キュッと握られた。

その手は口元へ運ばれて、隆二は薬指にそっとキスを落とした。

「その夢、絶対俺が叶えるから。A、一緒に叶えような。」

涙を流しながら、力強く言ってくれた。

笑うどころか泣くなんて、隆二らしい。

そういう隆二が、私は大好きなんだよ。

「A、好き。超好き。マジで、めっちゃ好き。」

「隆二……もっと聞きたい。しばらく聞けなくなるから、いっぱい好きって言って。」

「電話するよ俺。いつでも好きって言ってあげるから。」

「違う……電話とかじゃくて、生の声で聞けなくなるでしょ。」

隆二の温もりを感じながら、聞きたいの。

「そういうことね。なら、俺もいっぱい聞きたい。Aの声で、たくさん聞かせてよ。」

「…………好き。好き！大好き！離れたくないよ、隆二。大好き。」

「A、俺も」

言葉の途中でキスをした隆二。

俺も……離れたくない。そう思ってくれてたら、嬉しい。