恋になるとき。６ (ページ18)

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「久しぶりだね、Aとこうやって２人で飲むの。」

「だねぇ。いつももれなく奴らが連いてくるもんね！」

「奴らって！」

＂酷い扱いー＂と笑い転げるまゆはビール片手にいい飲みっぷりを見せた。

「でも、奴らが居ないと静かだね。」

２人の笑い声もデカイ話し声も、ないとないでなんだか………

「寂しい？」

「うん、寂しいかも。」

「私と２人じゃ不満かぁ？」

「違うよぉ！ただ、これからは隆二が居ないんだなぁって思ったら寂しくなっちゃったの。」

今からこんなんで大丈夫かな。

「やっぱ寂しいよね、１年も居ないなんてさ。A、あまりそういう事言わないから……平気なのかと思っちゃった。」

「寂しいって口にしたら、私って本当に寂しいんだって実感しちゃうじゃん。」

「現実逃避してるってこと？」

「そうかも。それに、隆二にも心配かけたくないし。」

「いろいろ考えてるんだ。」

「必死だよ、私。」

隆二が夢を叶えると決めたことを後悔してほしくないから。

少しでも、行きやすいように。

「いいよ、泣きたかったら泣いても。寂しいなら寂しいって、私には言いなよ。今市さんに言えないから、私には……ね。」

今の私はそんな優しい言葉を投げられちゃうと、簡単に涙を流せる。

どんどん、どんどん。

泣いたら泣いた分だけ、また寂しくなるのに。

勝手に流れてく。

「まゆ………寂しい。」

笑っていたいのに、泣きたくなんかないのに。

まゆに背中を撫でられたら、息もできないほど気持ちが溢れた。

「………アメリカなんて行ってほしくない。」

「うん。」

「耐えらんないよ、１年なんて。」

「うん。」

「クリスマスも、誕生日も、記念日も一緒に過ごしたかった。」

「うん。」

「やだぁ。隆二が居ないなんてやだぁ。」

「うん。」

隣でずっと話を聞いてくれるまゆからも、鼻をすする音が聞こえた。

一緒に泣いてくれる人が、笑ってくれる人が隣に居てくれる。

それが、今の私の支え。