恋愛もよう。２ (ページ14)

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リビングのテーブルにロウソクを立てて。

灯りを消した部屋はオレンジ色に染まった。

「誕生日おめでとう。」

やっと言えたお祝いの言葉。

「ありがとう。」

にこりと笑った剛典くんは火を消さず、私の肩に腕をまわした。

「Aさん、一緒に居てくれてありがとう。」

そう言って、私の目をじっと見つめながらキスをしてくれた。

すぐに離れた唇。

「剛典くん、足りないよ。」

今度は私から、唇を重ねた。

それに応えるように唇に舌を這わせた剛典くん。

「ケーキ食べないの？」

って、イタズラな笑みを浮かべた。

「食べたい？」

「後でいいや。今は、Aがいい。」

望んでいた返事をくれた剛典くんはそっと床に私を押し倒し、おでこにキスを落とした。

「愛してるよ、A」

ケーキよりも甘い声で、ケーキよりも甘い言葉を囁いた。

「私も、愛してる……」

＂剛典。＂と、初めて呼んだ名前は甘いキスに飲み込まれて、彼の耳に届いたかは分からない。

だけど薄目を開いて見た彼は嬉しそうに微笑んでいた。