恋愛もよう。２ (ページ12)

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残り10分のBirthday with 岩田剛典。ページ12

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「Aさーん、ねぇー、Aさーん。」

玄関から聞こえてくる剛典くんの大声でうたた寝から目が覚めた。

＂飲み会だから遅くなる。＂

朝になって突然告げられた夜の予定。

今夜はご馳走とケーキを作る予定だったのに。

剛典くんと付き合って７ヵ月。

同棲を初めて３ヵ月。

今日は剛典くんの２８歳の誕生日。

サプライズでプレゼントだって用意してたのに。

サプライズにしていたのが失敗だった。

ちゃんと予定空けといてって伝えれば良かったな。

「ねぇー、Aさーん。お迎えはー？」

そんな事もつゆ知らず。

玄関に急いで向かえば当の本人は床にうつ伏せになってへばりついていた。

「お酒臭い。」

脇に腕を差し込み重い体を起こすとプンプン匂うアルコール。

「飲まされちゃったー。」

そう言ってにこっと笑う剛典くん。

やっぱり憎めない、可愛くて。

「お水飲む？」

「うん。その前に着替えるー。」

私の肩に腕を乗せながらフラフラした足取りで寝室に入った。

「上着脱いで。」

「はーい。脱ぎまーす。」

何が楽しいのかニコニコしながらスーツの上着を脱いで、私はそれを受け取った。

クローゼットのハンガーに掛けていたら突然後ろから感じた彼の重み。

「Aさーん、早く会いたかったー。」

甘えるような口調で言って、首元に腕を回しギューっと抱きついてきた。

私だって、早く会いたかった。

「分かったから、着替えよう？」

＂会いたかった。＂って言われて本当は凄く嬉しいのに、酔っ払ってることに少しイライラ。

お祝い出来なかった事にもイライラしちゃって。

冷たく当たってしまう。

可愛げのない私。