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story74 ページ19

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「Aー、今日飲みに行こう?」









「いいよー。2人?」









「ううん、臣くんと岩田カップルと今市さんと。」









「わかった。なに、臣さんから?」









「うん、今連絡きた。」









「早く終わらそうっと。あっ、」









「なに!?」









「今日ドレス屋さんが会社に来るんだった。」









「ドレス屋さん?なんでわざわざここに来るの?」









「新作のパンフレット届けてくれるんだって。」









「時間かかるの?」









「受け取るだけだしすぐ終わると思うけど。」









「なら問題ないじゃん。」









「うん。」









携帯を置いたまゆはカタカタともの凄い音を立てながらパソコンと格闘を始めた。









臣さんとの約束がある日はやる気に満ちるまゆ。









私も負けじと文字を打ち込む。









「あー!また間違えたー!」









急げば急ぐほど指はいうことを聞かない。









そして時間を無駄にする。









落ち着きがない私は定時まで黙々と無言を貫いた。









「はぁー!終わったー!」









まゆの開放感たっぷりの声と同時に鳴った私の携帯。









登録されていない番号だけど、もしかしたらと思って通話をタップ。









「もしもし、鴨志田です。」









電話の相手はやっぱりスタイリストさん。









「まゆ、ドレス屋さんが来た!ロビーで待ってるから私先に行くよ!」









「待って待って!私も行くー!」









小走りで追いかけてきたまゆとエレベーターに乗り込んだ。









「私たちこんなに急いでるけど、みんなは仕事終わってるの?」









「あっ、分かんないや。臣くんに電話してみる。」









おいおい。









「時間くらい聞いといてよー。」









「あっ、もしもし臣くん?」









私を無視して臣さんと話し始めたまゆ。









「もう終わって今から降りてくるって!」









エレベーターを降りる私の後に喋りながら着いてくる。









私に気付いてお辞儀をした鴨志田さんを見て、









「あれ?ねぇ、あの人……」









そう小さな声で呟いていた。









「まゆ、知り合い?」









「全然。だけど……ここで働いてたよ。」









「えっ!?」









「三代目の、」









まゆが言いかけたとこで後ろから聞こえた隆二の笑い声。

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作者名:taka | 作成日時:2016年12月6日 22時

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