恋になるとき。９ (ページ2)

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＊～side 隆二～ページ2

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「でもいいよねぇ、帰ったらご飯が用意されてるのって。」

そう言いながら岩ちゃんはシートベルトを握りながら完全に後ろを向いた。

３人に彼女が同時に出来たのなんて初めてだから、楽しいんだと思う。

「宮ちゃん、料理上手いの？」

俺には未知の世界。

「あれ上手いのかなぁ？なんかすげぇ手が込んだ物作るんだよね。」

「例えば？」

「パイみたいなやつ、なんだっけ……」

「あー、キッシュ？」

「あっ、それそれ！さすが臣さん、よく分かったね！」

「昔の女がよく作ってたからね。洒落た料理。」

＂あー。＂って、岩ちゃんと俺は納得。

臣は少し背伸びをする子とばかり付き合ってたから。

綺麗に着飾るプライドの高い感じの。

きっと作る手料理も＂こんな凄いの作れるの？＂と言われたい気持ちが全面に出た物だったんだろうな。

何も悪いことじゃないし頑張って作ってくれるのは凄く嬉しいけど、俺は見た目より味が重要。

家でしか食べられない家庭的な味。

「あとは？」

「ローストビーフとか、あっ、アヒージョもこの前出てきた！もう、毎日がパーティーだよ。」

「「ぽい、ぽい！」」

宮ちゃんって感じの料理にまた納得。

「そんなとこが可愛いの？」

俺がそう聞くと＂えー？＂と照れる岩ちゃん。

「俺のために一生懸命料理してる姿は、超可愛いよ！」

初めて聞いた岩ちゃんの惚気話。

女子が恋バナに夢中になる理由が分かった気がする………めっちゃ楽しい。

「臣さんは？まゆちゃん料理する？」

「ぜーんぜんだよ！料理苦手なんだって。」

「珍しいね、臣さんの彼女が料理苦手とか。」

「あれじゃない？まゆちゃんは実家暮らしだからやらないんでしょ？」

俺は一人暮らしでもやらなかったけど。

実家暮らしじゃ尚更やらないよね。

「そうなんだよ。よく分かってんじゃん、まゆのこと。」

「Aからよく聞くからね。あれだよ、去年と今年のバレンタイン、めっちゃ頑張ってたらしいよ。まゆちゃん。」

「へぇー！手作りもらったの？」